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Exact Sciences $EXAS のThrive Earlier Detection買収について

こんにちは、ぴたごららです。
本日2020年10月27日に遺伝子検査会社Exact Sciencesが同業のThrive Earlier Detectionを$1.7bnにて買収する旨を発表しました。例によってExactもARKG銘柄ですが、6月末までノーポジだったとのこと。乗り方として鮮やかだと思います。今回は以下Evaluate Vantageのニュースを引用・意訳します。

↑遺伝子関連だとキャシーというよりはサイモンだと思います。

Disclaimer:
本内容はニュースを引用・意訳・改変したもので、内容の正確性などは保証できません。正確な内容に関しては原文をあたってください。本内容、またそれに基づいた投資判断などにつき、私はいかなる責任も取れません。

Exact、Thriveとの$1.7bn取引で夢を追う

Exactはスクリーニングに照準を合わせ、リキッドバイオプシー(液体生検)のメインプレーヤーになることを目指す。
ステルスモードから出てきてから2年半も経たないうちに、複数のがんのリキッドバイオプシーのデベロッパーであるThrive Earlier Detectionは、前金$1.7bnでExact Sciencesに買収された。
Exactは、結腸がん糞便検査のCologuardで有名になったが、幅広い固形がんのスクリーニングが可能な血液検査も開発しており、先月発表されたこのプロジェクトのデータは良好に見えた。ThriveのCancerSeekをパイプラインに加えることでExactは2つの候補を持つことになり、この成長分野において急速にメインプレーヤーになりつつある。
Thriveの検査は、がんの状態が不明なサンプルを評価するためのプロスペクティブ(前向き)臨床試験でデータを生成した唯一の検査であるという点で、最も先進的な複数のがんのリキッドバイオプシーである。これは他のがん血液検査デベロッパーが用いたレトロスペクティブ(後ろ向き)試験よりも、より現実に即したものと考えられている。
10,000人の患者を対象としたDetect-A試験の有望なデータからは、CancerSeekの感度はほぼ許容範囲で、特異度は非常に良好であることが示されている。

Exactは現在、感度を高めるために他のバイオマーカーを組み込んだ、より高度なCancerSeekの開発を計画している。このような反復型開発はこの分野では珍しいことではない。先月、Rocheが発売した複数のがんのリキッドバイオプシーは、ピボタル試験で使用されたアッセイの微調整版であった。Exactの経営陣は本日の電話会議で、CancerSeekの修正は予定されているが、この試験の米国での登録が開始される前に、同様の10,000人を対象とした別試験を実施する必要はないだろうと述べた。ピボタル試験は約80,000人の患者を登録する予定であり、そのデザインを決定するためのFDAとの議論が進行中である。

筆者注:CancerSeekがDetect-A試験で用いられたものから少し修正されるが、その変更のためにDetect-A試験に似たような10,000例規模の試験をし直す必要はないと考えている、と理解しました。

ExactはCancerSeekを発売する前にFDAの承認を得るか、米国で自家調整試薬(LDT:Laboratory Developed Test)として提供するかをまだ決めていない。Guardant Healthは今年8月に承認されるまでの数年間、米国市場で販売されていたGalleriリキッドバイオプシーで後者の道を歩んだ(※)。最近、$8bn相当の取引でIlluminaに買収されたGrailも、少なくとも最初はLDTとして販売することを計画している。

筆者注:※はおそらく誤植で、GalleriではなくGuardant360だと思われます。

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同グループはCancerSeekがいつ発売されるか、またどれくらいの費用がかかるかついて明言を避けた。しかし、もし発売が実現すれば、今回の買収に含まれる総額$450m相当のマイルストンペイメントの1つが発動する可能性が高い。$1.7bnの契約一時金は、Exactの普通株式65%と現金35%で構成されており、買収は1Q21に完了する予定。

All your Base are belong to us
Exactが本日発表したもう一つの買収は、$410mと非常に小さいが、その前に完了する可能性が高い。Base Genomicsはエピジェネティクス、特に遺伝子発現を制御するプロセスの一つであるDNAメチル化を専門としている。メチル化分析は、早期発見のがん検査における感度の向上や組織の特定に有用であり、同社がCancerSeekを修正する際には、Baseの技術がExact独自のメチル化の専門知識に加えられることになる。

Wikipediaより:エピジェネティクス(英語: epigenetics)とは、一般的には「DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域」である。

本日の取引のサポートとして、約860万株の普通株式を10の機関投資家に売却し、$870mの資金調達を行う予定。Exactは今年4つのディールを行ってきたが、これまでで最大のものは2019年のGenomic Healthの$2.8bnでの買収であった。

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本日の株式の18%上昇にも後押しされ、時価総額は現在$19bnに近づいており侮れない。現在2026年に売上高で第5位の診断薬グループになると予測されており、CancerSeekがローンチされれば更に順位を上げる可能性もある。
また、新たに買収した技術だけがサプライズではない。Exactは本日3Qの結果を報告したが、同社の収益成長を牽引した技術の1つはCOVID-19検査であった。今回、市場の期待値$40mに対して$120mの収益を生み出している。グループ全体の3Qの売上高は$480m(前年同期比87%増)で、アナリストの予想約$336mを上回った。とはいえ同社の純損失は著しく拡大し、$220mとなっている(3Q19は$40.5m)。同社はこれを、大規模な事業開発計画によって清算する必要がある。

所感

先月はIlluminaのGrail買収もあり、遺伝子検査業界は動きが活発ですね。

記事中で触れられている液性生検のキープレイヤーをまとめた表は勢力図を考える上ですごく有用かなと思います。私はExactよりGuardant の方が大きいと思っていました。
Exactにはさらに追い風のニュースもあり、USPSTF(アメリカ合衆国予防医学専門委員会)が大腸がんのスクリーニングは45歳から始めるべきと推奨したようです(現在の推奨は50歳から)。これによりCologuardが償還されやすくなることが見込まれています。

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今のところCologuardの売上は頭打ちのように見えますが、$18bnもTAMがあるんでしょうか。Multi-Cancerと比べてややアンバランスな気がします。

参考:
Exact Sciences agreement to acquire Thrive, third quarter 2020 results presentation
https://s22.q4cdn.com/877809405/files/doc_financials/2020/q3/FINAL-Thrive-Presentation.pdf

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