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7バガー狙える?禁煙補助剤開発のAchieve Life Sciences $ACHV

こんにちは、ぴたごらら(@pitagorarara)です。
個別株の紹介はしばらくサボっていたのですが、面白い銘柄に出会ったので久々にnoteを書こうと思います。Achieve Life Sciences ACHVというバイオ銘柄で、現在株価は$7.78、以下リサーチでの目標株価は$58(7.5バガー?)となっているマルチバガー候補です。

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Disclaimer:
本内容の正確性などは保証できません。本内容、またそれに基づいた投資判断などにつき、私はいかなる責任も取れません。

Achieve Life Sciencesの会社概要とcystisinicline

Achieve Life Sciencesは1991年に米国ワシントン州に設立されたバイオテックで、現在は禁煙補助剤のcytisiniclineの開発を行なっています。CistisiniclineはPfizer PFEのvarenicline(商品名CHANTIX®/CHAMPIX®)の類似薬であり、脳に作用することでタバコを吸いたい気持ち、ニコチン依存による離脱症状を抑え、禁煙を補助します。

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禁煙補助剤の市場環境

USにおける喫煙者数は2017年以降下げ止まっており、およそ3,400万人と推定されています。その中で禁煙補助剤であるvareniclineの2019年売上は全世界で$1.11bというブロックバスターです。おそらく健康増進の観点から禁煙補助剤への保険償還は好意的であり、約8割の患者はvarenicline処方に1ドルも払っていないとのことです。タバコを吸って不健康になられるより、お金を出して禁煙してもらった方が医療経済的に好都合という訳ですね。それにも関わらず76%の患者はvareniclineの治療3ヶ月コースを完遂しておらず、その大半は副作用が辛くて続けられなかったことを理由としています。実際にUSでvareniclineを処方されているのは喫煙者全体の約3.7%のみですが、それでも全世界での売上は$1bを超えていました。すごいですね。

私は喫煙者でも禁煙成功者でもないのでよくわからないのですが、そのキツさはtwitterで「チャンピックス」と検索するだけで簡単に知ることができます。便利な世の中です。

Vareniclineには安全性上の懸念もあり、その添付文書には過去、黒枠警告(うつ病等)も付けられていました。一方でガムやパッチに代表されるニコチン補充療法の効果は弱く、より効果的で安全性の高い新薬が望まれています。

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Achieve Life Sciencesの経営陣と被買収機会

Achieve Life Sciencesのキーパーソンは会長のRichard Stewart氏と最高科学責任者のAnthony Clarke氏と目されます。両者とも過去に要職を務めたバイオテックをZogenix ZGNXBioMarin Pharmaceutical BMRNに買収させた経験があり、Richard Stewart氏はAmarin AMRNの共同設立者でもありました。
Achieve Life Sciencesはvareniclineを保有するPfizerやニコチンガム・パッチを製造販売するGlaxoSmithKline GSKの買収対象になるでしょうか?

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Cystisiniclineのデータと開発計画

Cystisiniclineは679名を対象としたRAUORA試験において、vareniclineと同等の6ヶ月禁煙成功率(より良好な傾向)と、より高い安全性を示しています。

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またフェーズ3試験のORCA-2試験は2021年半ばに症例登録を完了し、2022年上期にデータ開示予定とのことです。このデータが重要なカタリストになるはずで、vareniclineのような実薬ではなくプラセボが対照のため成功のハードルは比較的低いと考えられます。

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Achieve Life Sciencesの財務状況

Achieve Life Sciencesは2021年5月にpublic offeringを実施しており約$21mを調達しています。現在の保有キャッシュは$44~49m程度と想定され、時価総額は$73.5mであるためエンタープライズ・バリューは$25~30m程度かと思われます。キャッシュ・バーンは1四半期あたり約$5mであり、2023年までのランウェイは確保しているものと試算しています。

感想とまとめ

当初はvareniclineのジェネリックもあるしAchieve LIfe Sciencesもcystisiniclineも存在価値は非常に薄いだろうと思っていたのですが、2020年にUSの特許が切れたにも関わらずvareniclineは全世界で$919mを売り上げています(前年比17%ダウン)。思ったより下げ率が鈍く見え、この辺りは前述した保険償還率の高さが影響しているのかもしれません。ヨーロッパは2021年、日本は2022年に特許が切れるので更なる売上低下は見込まれるのと、現在vareniclineはニトロソアミン混入のためリコール中です。今後、ジェネリックへの置き換えによる売上減少なのかリコールが影響しているのかは測りづらくなります。仮にAchieve Life Sciencesが新薬承認申請に進むのであれば、この辺りの製造品質管理も厳しく見られると思います。

Achieve Life Sciencesの最近のポジティブな材料として、NIH(米国国立衛生研究所)より電子タバコ使用者を対象とした治験への助成金を得たことを発表しています。電子タバコ使用者(USで推定1,370万人以上)への適応は現在vareniclineが取得していないものであり、同社はこの助成金を使用しながらORCA-V1試験により評価を進めていくとのことです。

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個人的にはもう少し内部の株式保有率が高い方が確信を持てる(現在は1%程度)のと、機関ももう少し入って欲しいところです。ブロックバスター候補を有していると考えると現在のエンタープライズ・バリューは激安であり、リスク・リワード的に面白いので最近エントリーしました。まずは半年〜1年先に見込まれる主要なカタリストに向け注目度が上がっていくことを期待しています。

参考資料:
https://achievelifesciences.com/wp-content/uploads/2021/07/Achieve-Life-Sciences.pdf

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