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3 生体腎移植ドナーを経験して(3) 教師はつらいよ

腎移植ドナーとして、左腎を摘出して2か月。
仕事にも復帰して、生活は手術前と変わらなくなった。

公立高校で英語を教えている自分は、授業が週に16時間。
これがなかなか体力を要する。

進路指導部に所属し、就職を担当。
空き時間は来客対応や、書類整理に忙殺される。
体力は要らないが、時間は奪われる。


放課後は部活動の指導。
アメフトは自分が経験したスポーツであり、教員をしている理由でもある。

ご推察のとおり、これは筆者ではありません

さらに2年前から「主幹教諭」というポジションに就いており、各種会議への出席を求められる。

6月のある休日、まったく起き上がれなくなった。
「普通に」仕事をすることそのものが、ストレスになっていた。

ちなみに、これまた筆者ではありません

術後、体力が激落ちした自分。
術前は同年代に比べ、かなり体力に自信があった(だってアメフトやってたんですもの)。

人より仕事ができる。
人より体力がある。
人より能力がある。

思えば自分の自己肯定感や自己効力感は、すべてが「人との比較」に基づいていた。

そんな自分が、どうにも身体が動かない。
空き時間には保健室で休み、家に帰ったらベッドでぐったり。

受診した心療内科のドクターはこう言った。
「フィジカルとメンタルは繋がってますからね。今はとにかく休みを取りましょう。無理をしない。助けを求める」

(つづく)


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