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うるさい子供とにらむ父=ベテラン職人と若手現場監督

7歳娘と5歳息子の父親である。
子供たちのことは大好きである。
たぶん。

子供がいなくても楽しく過ごせるとは思っている。
ただそれは自分が今死ぬのは全く怖くない、と言っているのと同じかも。
明日死ぬかもしれない、と理屈では分かっていても、その想像は全くできない。
それと同じように子供たちがいないことはリアルでないのだと思う。

さて5歳の息子がうるさい。
工事現場クラス。

7歳の子供と仲が良い。
ケンカしているときと、2人で仲良く盛り上がっている時、
どちらもさらにうるさい。
ドリルの使い方が激しい工事現場クラス。

コーチングを自分の根幹にしている自分としては、そんな彼らを受け取る。
その時の彼彼女をそのまま観察し、できるだけやりたいようにやらせる、
と理屈では思っている。
そう育てようと思っていた。

実際のところ、イライラした自分はかなり早く、やめなさい!と、言っている。
口うるさい現場監督となる。
その理想と現実のギャップにショックを受けつつ、言ってしまう。
そう、まだまだ若手なのだ、指導者としてまだ青い。

そして相手は職人だ。
こちらは玄人だ、自分の仕事がなんたるかをよく知っている。
そう簡単に若手現場監督の言うことなんて聞いてもらえない。
まずもって、一瞥されたのち、何事もなかったように仕事に戻る。

何度も同じことを言っても、、、
そう現場監督は思っている。
しかし他に良い手は思い浮かばない。
ため息をつく。
そして、ちょっと優しく告げてみる。
ドンドン鳴っているよ、周囲に迷惑だからもう少し静かにしてよ、、、

ハーイ
軽い返事だ。
もくもくと自分の仕事に集中する。
ベテラン職人はよく知っているのだ。
まあこの若手はとりあえず言っているだけなのであろう、と。

さあ、、、
若手現場監督としては、なめられるわけにはいかない。
ここは強気の一手だ。
腕をぐっと掴み、やめなさい!と今日一番の強さで言う。

きっ、とにらみ返される。
だってまだ始めたばっかりだよ!
◯◯も一緒にやってるでしょ!
痛いよ!なんで痛くするんだよ!
などと言い返される。

とりあえずやめてはくれる。
やめてくれた、っていう印象なのだ。
あれ、、、?間違っていたのは自分なのか、、、?
若手現場監督の戸惑いは続く、、、

そして職人はもう他の仕事に没頭している。
プロフェッショナル。

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