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ピリカが向き合うごみの自然界流出問題とは?

こんにちは、株式会社ピリカの永田です。
今回の記事では、ピリカがどんな組織なのかをより深く知っていただくために、ピリカが向き合うごみの自然界流出問題と、その解決に向けた弊社の取り組みについてご紹介できればと思います。

さて、みなさんは「ごみ問題」と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

「ごみ問題」というと、一般的にはごみの収集・焼却・埋立など、廃棄物処理の仕組みに関する問題をイメージされることが多いように思います。
しかし「ごみ問題」をより広く捉えると、そもそも収集されずに道端にポイ捨てされてしまうごみや、あるいは使用される中で微細化して、意図せずに環境に漏れ出してしまうごみなど、そもそも廃棄物として処理されないごみによる問題も発生しているのです。

ピリカでは前者の適切な廃棄物処理の領域を“ごみのメジャーリーグ”、後者の廃棄物処理から漏れ出してしまった領域を“ごみのマイナーリーグ”と呼び、主に後者の問題に対する取り組みを行っています。

では具体的にどんなことをしているのか?
その内容を理解いただきやすいように、ごみ問題のおおまかな構造とその対策について図解してみました。以降は図の中で示している内容を順に説明していければと思います。

ごみ問題の簡易構造図

ごみの位置付け

初めに私たちが向き合う問題である、ごみとはどういうものなのか、改めて整理してみました。図で示した通り、ごみは元からごみとして存在しているわけではなく、製造されたモノが、購入されて誰かの所有物となり、それが不要となった時点でごみに変わるのです。そのため、たくさんのモノが生まれ、消費される現代では、非常に多くのごみが生まれていることが伺えます。

こうして生まれたごみは、これまでの歴史において悪臭、疫病、公害など、様々な公衆衛生上の問題を引き起こしてきました。日本では20世紀以降に近代的なごみ処理の仕組みが整備され、これらの問題はほとんどなくなりましたが、世界を見渡すと、ごみ処理の仕組みが整備されていない場所がたくさんあります。

そのため公衆衛生上の問題を引き起こさずに、いかにごみを適切に処理するかが、これまでごみ問題として扱われてきました。これが私たちが"ごみのメジャーリーグ"と呼んでいる領域です。

ごみの自然界流出とは

ここからはピリカが取り組む“ごみのマイナーリーグ”、ごみの自然界流出問題にフォーカスを当てていきます。
現代においては、発生したごみは通常ごみ箱に捨てられることで、収集・焼却・埋立といった工程を経て、適切な処理が行われます。しかし、ごみの中にはごみ箱に捨てられずに、路上にポイ捨てされてしまうものや、あるいはグラウンドの人工芝やタイヤのゴムなど、利用している最中に、意図せずに微細化して公共空間に放出されてしまうものがあります。

これら事例のような、ごみが通常のプロセスでは処理されずに、道路、山、海などの公共空間に流出する事象を、私たちはごみの自然界流出と呼んでいます。上の図で言うと、通常廃棄のプロセスよりも下側に進む事象を、ごみの自然界流出として捉えています。

近年ニュースなどで取り上げられることの多い、海洋のプラスチック汚染も、ごみの自然界流出の一つの事象と捉えていますが、私たちは海洋という場所や、プラスチックという物質に限らず、「ごみの自然界流出」という枠組みで、問題をより広く定義し、その解決を目指しています。

ピリカが提供する解決策

ここからはごみの自然界流出問題に対して、ピリカがどのような取り組みを行っているかをご紹介していきます。ピリカでは「 流出ごみの調査」「流出ごみの回収」「流出ごみの削減」という3つの軸で様々な事業を展開しています。

1. 流出ごみの調査

まず初めに自然界に流出したごみの調査サービスである、「タカノメ」「アルバトロス」をご紹介します。

これまで取り上げたごみの自然界流出ですが、それはあまりにも大規模で複雑な問題であるため、そもそも流出しているごみの種類、量、経路等が、十分には明らかにはなっていないのが現状です。

そのため私たちは、ポイ捨てや微細化によって、自然界に流出したごみの実態を明らかにするために、ごみ分布調査サービス「タカノメ」、マイクロプラ調査サービス「アルバトロス」という2つの調査サービスを提供しています。

「タカノメ」は路上にポイ捨てされたごみ、「アルバトロス」は水域に存在するマイクロプラスチックを対象に、その地点、量、質など様々な情報を調査するサービスを提供しており、問題の実態を明らかにすることに取り組んでいます。

2. 流出ごみの回収

自然界に流出したごみですが、それを通常の処理プロセスに戻す方法があります。その一つがごみ拾いです。ポイ捨てされたごみは、回収されてごみ箱に捨てられることで、通常のごみ処理のプロセスに戻ることになります。

そのためピリカでは、ごみの自然界流出問題を解決する行為としてごみ拾いを位置付け、それを促進するためにごみ拾いSNS「ピリカ」というサービスを提供しています。ごみ拾いSNS「ピリカ」はごみ拾いに特化したSNSで、誰でも気軽に、ごみ拾いの様子を世界中に発信することができ、楽しみながらごみ拾いを行うことができるサービスです。
※「ピリカ」は2011年に誕生して以降、2.6億個以上のごみが拾われており、世界最大のごみ拾いプラットフォームとなっています。

また、自治体、企業・団体様向けには、SNS「ピリカ」で投稿されたごみ拾いの情報を集約し、取り組みの成果を見える化したり、そのコミュニティ内の情報発信などを行える機能を備えた、ごみ拾い促進プラットフォーム「 ピリカ」というサービスを提供しています。

これらのサービスを通じて、ごみの自然界流出問題を解決する行為として、ごみ拾いという活動を広げていければと考えています。

3. 流出ごみの削減

あらゆる問題の解決策を練る中でよく語られる「蛇口の元栓を閉めねば」という議論。ごみ問題も例外ではありません。ピリカもこの問題の元栓を閉めるべく、コンサルティング事業という枠組みで、ごみの自然界流出を防ぐための様々な取り組みを行っています。

コンサルティング事業においては、人工芝流出対策事業として、そもそもごみが流出しないようにすることはもちろん、流出ごみ資源化事業として、流出が懸念される“ごみ”を資源(=必要なもの)として活用し、回収する仕組みづくりなど、問題の根本を食い止めるような取り組みも行っています。

最後に

今回の記事では、ピリカが向き合うごみの自然界流出問題と、ピリカが提供する解決策を紹介させていただきました。ごみの自然界流出問題や、ピリカについて知っていただく機会になれば嬉しいです。今後も様々なテーマで記事を更新していきますので、ぜひ楽しみにしていてください!