第249話 【BLACK EDGE 其の249 到着】
BLACK EDGE
著者:pirafu doria
作画:pirafu doria
第249話
【BLACK EDGE 其の249 到着】
「見えてきました!! 見えてきましたよ!!」
馬車の中からスカイが顔を出して興奮している。フェアもその後ろでソワソワしている。
馬車での数日の旅を超えて、ついにブラッド達は隣国マルグリットに到着した。
森を越えた先には巨大な家が立ち並んでおり、都市の奥には大きな城も見える。
都市の右側にはその城に並ぶ大きさの教会と、左側には闘技場がある。
都市は三角形であり、王城、教会、闘技場の三つが端に存在している。
門をくぐり国に入ると、そこはガルデニアよりも賑やかで栄えている。その人口差は約三倍であり、それだけ土地も多く建物も多い。
「スカイ、とりあえずお前を家まで送るぞ。どこだ?」
ブラッドはスカイの家がどこにあるのか聞く。
「あ、そうでしたね。そこを曲がってください」
スカイに案内されながらブラッドは馬車を進めていく。そしてしばらく進むと、
「ここが私の家です」
スカイの家にたどり着いた。そしてブラッドとフェアはそれを見て固まる。
都市にある家はどれも大きい。しかし、そのどれよりも大きく広い家だった。
「お、おい、本当にここがお前……キースの家なのか?」
「はい。そうですよ。パパは貴族ですから」
スカイが家の門の前で立っていると、超スピードで老人が走ってくる。
「お嬢様〜!!」
「久しぶりです。爺……」
「お父様からはぐれたと聞いた時から、私は心配で、心配で。夜も寝れませんでした」
現れたのは老人の目には隈がある。本当に寝れなかったのだろう。
「あの〜、そちらの方々は?」
老人はブラッド達に疑問を持つ。するとスカイが説明した。
「私をここまで連れてきてくれたんです。パパの友人です」
「友人…………」
友人と言われたことにブラッドは反論したくなったが、ここは我慢した。
「なんと、そうでしたか。こんなところではなんですから。どうぞ、中に入ってください」
老人はスカイと共にブラッドとフェアも中へと案内する。
大きなお屋敷だ。まさか、あのキースが貴族だったなんて……。想像できない、いや、想像もしたくない。
しかし、目の前に広がる光景だ。本当のことなのだろう。というか、貴族なのにどうして賞金稼ぎなんてやってるんだ……。
ブラッド達は客間へと案内された。そしてそこでしばらく待っていると、スカイが入ってきた。
今までの動きやすい格好とは違い、お嬢様という感じの格好だ。それを見たフェアはその姿に憧れている感じだが、スカイは嫌そうな感じだ。
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