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子供の「万が一」に備えるために、小児国際救急法の講習を受けました

育児休暇の期間を利用して、ケガや病気、考えたくはないですが心肺停止してしまった時の応急処置を学んできました。幾つか手当に関するサイトは読んだのですが、実際目の前で起こったときに対応できる自信がねぇな・・・と感じたのでMFA(メディック・ファーストエイド)が行っている「チャイルドケアプラスコース」を受講してきました。

https://www.mfa-japan.com/programs/childcareplus.shtml

「チャイルドケア」とはついていますが小児、乳児、成人すべてに対応できる応急処置を学ぶことができ、人形を使った演習も3体分行います。自分の子供だけでない、幅広い「万が一」に備えることができるのでお勧めです!

受講すると修了証がもらえます。

MFAは1976年にアメリカで開発された一般市民レベルの応急救護の訓練プログラムで、現在では世界140カ国以上で毎年50万人以上が受講しています。企業だとANAやベンツなどで採用されており、受講が必須の企業もあるとのことです。また、保育士さんや幼稚園・小学校の先生が受講をしています。

普段はESGや機械学習/自然言語処理について書いていますが、本記事ではチャイルドケアコースを受講してよかった点を書きたいと思います。今後私がイベント等で登壇する際は、万が一がおこっても救命救急を行いますので安心してご参加ください!(ただリモートでは対応できないのでご注意!)。

MFAのチャイルドケアコースを受講してよかった点は3点です。

  1. 講義だけでなく、演習がある。

  2. 怪我や病気の手当てを幅広く学べる。

  3. 実際、応急処置に踏み出す準備ができる。

トレーニングセンターは大阪にありますが、全国で講座を開催しているので興味を持った方はぜひ受講してみてください。


講義だけでなく、演習がある。

心肺蘇生法(CPR)について、人形を使った演習があります。演習があることが目的で行ったわけですが、成人・小児・乳児の3体あるとは驚きでした。↓のような人形です(※買う人はいないと思いますが。。。)。

心肺蘇生法の手順は変わりませんが、サイズが異なるため押す位置・押し方・呼吸の入れ方が変わります。基本は胸骨圧迫30回・レスキュー呼吸2回を交互に繰り返します。レスキュー呼吸をする際に直接触れないようビニールなどの器具を使うのですが、それも異なります。

理屈でわかっていても押すペースや呼吸の入れ方は経験ある人に見てもらわないと程度がわからないので、やってよかったと思いました。レスキュー呼吸は胸が上がる程度でOKです。深呼吸してフゥー!というイメージがありますが、吹き込みすぎると胃に入って吐き戻しにつながるそうです。深呼吸は必要なく、気道を確保すれば普通の呼吸で十分吹き込めます(経験談)。

怪我や病気の手当てを幅広く学べる

意識なし!呼吸無し!となるより、誤飲をするとか、転んで怪我をするとか、急に体調が悪くなるケースの方が多いと思います。チャイルドケア講習では、心肺蘇生だけでなく日常で頻繁に使いそうな手当ても学ぶことができます。

のどに詰まったとき(チョーキング)の手当ても人形を使った演習で行います。乳児の場合は、背打法+胸部突き上げを交互に行います(下記リンク参照)。これも実際やっておかないといざって時にできねぇな・・・と感じました。

誤飲については専門ダイアルがあるので、お子さんがいる方は登録しておくといいと思います。つくばは受付時間が9:00-21:00なので注意してください。電話番号が、大阪は2499(24時間)、つくばは9999(9時から9時まで)となっているので覚えやすいと講師の方が言っていました。

中毒110番・電話サービス

なお、この講習の時はえんえんと子供が痛いけがをするシーンを見るのでメンタルがきつかったです。

実際、応急処置に踏み出す準備ができる。

「応急手当を行うあなたは手当全体の一部にすぎず、他の救急隊が来るまでのわずかな時間を担当するに過ぎない」という説明は心に残りました。MFAの応急手当は悪化がすることがないように設計されているとのことで感心しました。

応急手当が不十分/悪化させたことで法的に訴えられることはない、という説明もありました。海外では善き隣人法があります。日本では民法第698条の「緊急事務管理」、及び刑法第37条の「緊急避難」の規定により一般市民が善意に基づいて注意義務を尽くし救急蘇生法を実施した場合に民事上、刑事上の責任を問われることはないと考えられており、今まで1度も訴訟は起こっていないそうです。

日本はAEDの普及率が1位といわれていますが、一般市民が心停止を目撃した数約25,000人(平成29年)に対し、AEDが使われた数はわずか4.7%に留まります。AEDが使われた場合、生存率は約4.7倍、社会復帰率は約6.6倍になります。

わが身で考えると、まずAEDがどこにあるか知らないし使い方もわかりませんでした。実際遭遇したら見て見ぬふりをしてしまうか、せめて119番するぐらいではないかと思います。本講習を通じて、場所をチェックしておこうと思いました。使い方は講習でもちろん習いましたが、AED自体が使い方をナビしてくれます。成人なら肩と腰、小児なら心臓を挟むように電極をはって、スイッチをオンするだけです。オンすべきか否かはAEDが判断してくれるので、自分で判断する必要はないです。よくよく考えるとモバイル医療AIともいえ素晴らしいと思います。

PHILPSのAED

AEDは交番に設置されています!ぜひこれは覚えておいてください。自分の家族、もしくは人が道端で倒れたのを見たら誰かに119番をお願いし交番にダッシュしてください。自分のダッシュに自信がなければ、足に自信がありそうな若人の男子にお願いするといいと思います。(自宅がマンションの場合はマンションに設置されていることもあります)。

周囲の安全を確認した後に意識確認、通報が手順ではあります。ただ、道端でいきなり倒れたら基本意識ないので、さっさとAEDを取りに行った方がいいです(by講習の先生)。学校や公共機関にも設置されていますが、夜中だとしまっていることが多いので交番と覚えておくといいと思います。

非常に学びが多い講習だったので、興味を持たれた方はぜひ受講してみてください!以下でお近くの受講できる場所を探せます。大阪だと定期開催もしているようです。

表紙画像はJohnさんのParamedic checking Ben's health-1=を使わせていただきました。

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