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サッカーはエンターテイメント‼    シティVSリヴァプール

今シーズンのプレミアリーグ優勝を占う上で大一番と言っていい。
マンチェスターシティ VS リヴァプール
リヴァプールはシティに勝ち点7差をつけて首位でエディハドスタジアムに乗り込んできた。崖っぷちでこのゲームを落としたらほぼ間違いなく優勝はなくなるマンチェスターシティ。
無敗首位リヴァプールをどう迎え撃ったのか?

絶対に負けられない。絶対に勝たなくてはいけないシティ。
個人的にはグアルディオラが大好きです。感情入りまくりですが笑

題名は自分が一緒に仕事をさせて貰って
                最も尊敬している指導者の哲学です笑)

スターティングラインナップ

シティは4-3-3 フェルナンジーニョやっぱり利いてるよね 
CBはここぞではキャプテンコンパニー
シティの構造は後ほど

リヴァプールも同じく4-3-3 こちらは鉄板の布陣と構造です。
手の内はわかるけど対策をすることが困難なリヴァプール。
とにかく計画的なカオスをぶつけてきます。(もはやリブァプールにとってはカオスではない。)

両チームの2局面(組織的攻撃VS組織的守備)のぶつかり合いを中心にゲームを考察していきたいと思います。


シティ 組織的攻撃「hexagon解体&6と4の分断」
           VS
リヴァプール 組織的守備「hexagonをぶつけたハイインテンシティプレス」

リヴァプールの守備はhexagon+4でコンパクトな陣形を維持してそのまま塊をぶつけていく。

リヴァプールの大まかな特徴としては
※マネとサラーならマネの方が献身的に広いエリアをケアする意識が高い。
※MF3枚は前後左右に積極的に走って広いエリアをカバーする。
 特にボールに対する守備の意識が高い。プレスに移行としたときに
 第3レイヤーにスペ-スができる傾向にある。
※DFラインは前の6人のカバーを行う。中盤3人のDFラインへのヘルプの
 意識は高くはない。
前へ前へ加勢していく意識が高い守備の構造になっている。
シティが目をつけたリヴァプールの特徴はこの3つではないかと思われる。

シティの基本的な立ち位置はこのように見えた。

リヴァプールのhexagonの中にフェルナンジーニョとベルナルド・シルバが立ち(第2レイヤー)、その後方(第3レイヤー)にダビド・シルバとアグエロ。SBはサイドの比較的低い位置で尚且つサラー&マネよりも少し高い位置をキープ。後方は4-2もしくは2-4の構造。全体で観ると大きなhexagon+2に両ウィング。サイドにtriangleが形成されている。

後方のポゼッションの目的はの1つに上げられるのが3TOPの解体が上げられる。この試合のシティSBのボールに関わっている位置が特徴的だ。

SBがボールに絡んでいる位置がタッチライン際後方が多いことが見て取れる。
※ボールを失ったときにリヴァプールの3トップに対して
 4DFでケアをしていくということ
※サラーを守備でサイドに張り付かせて尚且つマネをストーンズに 
 引きつけてダニーロをフリーにする。
※両ウイングを外に開いたシティSBに引きつけることでシティのCB→ウイングのルートを確保する。
これがシティが狙っていたことではないか。



hexagon解体

セットオフェンスが始まるとコンパニーやフェルナンジーニョはラポルテにわざとサラーが間に合うスピードのボールを預けてサラーを引きつける。実際にラポルテはサラーを引きつけてから前進せずコンパニーに戻す選択をすることが多かった。ラポルテからボールを預かったコンパニーがストーンズへのパスをちらつかせるまたは出すとマネが出てくる、そのときにダニーロがフリーになる。ミルナーもベルナルドに引きつけられているので外に早く出ることができない。スターリングが右サイドに開いているのでロバートソンも出ることが難しい。コンパニー・エデルソン・ストーンズからダニーロに出てしまえば献身的なマネは下がって守備をする。そのときにミルナーもサイドの方向に寄ることになるのでベルナルドのスペースもできる。サラーは一度下がっているのでそのままラポルテと一緒にいることが多くなる。これによって安全に前進できるスペースを作ることとネガティブトランジッション時のリヴァプールの3TOPの位置も管理する。シティのSBをサラーとマネに守備の時に気にさせてしまえば反転したときにもSBは両ウイングを捕まえている状態からネガトラを迎えることができる。(SBが高い位置を取ったり、中でプレーするとサラーとマネのケア範囲から出てしまうし、反転した時にケアもしにくい。)かつ後方を意識した守備がうまくないサラーを一度下げてしまえば左サイドから攻めるときも相手MFの負担が大きくなる。繰り返せば繰り返すほどサラーの意識はラポルテに向くことになる。シティの左サイドから前進するためのルートの確保にもなっていた。結果1点目のシーンなどのサラーの内側を通すパスが多くなる要因になったのではないでしょうか。立体的なhexagonではなく平面に近い状態の陣形にしてしまえばシティにとってはメリットの方が大きい。

6と4の分離(hexagonと4バックの分離)

リヴァプールはもともと前へ押し出して守備して行く傾向の強い構造のため、DFラインが割れたときにMFが穴埋めしていく傾向が弱く、押し出した分は4人のスライドでスペースを埋めていく。

その傾向をより強くさせたら穴が開いてくる。尚且つその傾向自体を無効化してしまおうと言うのが今回のシティのもくろみだったと推測している。

はめ技です(笑)
CBを境に両サイドに割れてしまいやすい構造に陥りやすいように仕組まれています。横に裂かれたDF達は当然のごとく、前へ出て行くことも難しくなります。ウイングが外にいることでSBは前へは向かいづらいし、前に出てCBがスライドすれば逆サイドはダビドがゴールに向かって動き出したらアーノルドは対応しなくてはならないし、当然このスペースをサラーはカバーしに戻っては来ないし、ワイナルドゥムがカバーするのは酷すぎるし、カバーできないようにダビドは視野外にいるし・・・・・

この場面では実際はスターリングが潰されてしましますが。同じような場面です。

そしてこの試合もっと極端なの意図を持ったポジショニングがあります。

右サイドから展開して行く場面です。左サイドに注目して下さい。3人が固まっています。(アグエローダビドーサネ)
この後左サイドに展開していきます。

左サイドに展開し、この場面ではミルナーの裏でダビド・シルバが引きつけている。

アグエロはミルナーの脇で受けに行く。CBのロブレンはダビド・シルバがいるために付いていくことはできない。この後アグエローダビドーサネのtriangleは回転しながら関係性を保ち、ウィングレーンにいるアグエロからサネがハーフスペースを抜けてロブレンの背後からポケットまで侵入しボール受けクロスまで至ることになる。
実際にシティの1点目のシーンでもサラーのハーフスペースを空けてしまう守備の甘さから内側のパスを開いているサネにつけられそこから左サイドの波状攻撃が生まれてしまい、最後はベルナルド・シルバのクロスからアグエロのゴールが生まれた。アグエロのファン・ダイクに競り負けた後の動き直しは見事であり、ロブレンは完全に裏をかかれてしまった。

アグエロの何が凄いかって二アハイへのシュート‼
たまたまかもしれませんがアリソンの肩口の近くを射貫く軌道。これはGKにとって至近距離からのシュートで最もボールを触りにくいコース。もう少し外側の方が手を伸ばして触りやすい。このコースは難しい。理由は簡単で肩から腕が生えてるから笑
至近距離からの顔周辺、ここは本当に弾きづらいと思います‼

アグエローダビドーサネのヒートマップ

アグエロ パス出発点

アグエロ ボールタッチエリア

データから観てもアグエロが左サイドに寄ってプレーする傾向が見て取れる。
試合を通して観てもアグエロが左サイドを起点にプレーしていたことがわかるかと思います。左サイド、このサラーの裏をチームとして狙っていたのではないかと思います。

こじつけになりますが(笑)シティの2点目のこの4DF分断の考え方が生きたゴールだったと思います。

リヴァプールのスルーパスに対してカバーをしてダニーロにつけてダニーロからスターリング。カウンターではありますがこの位置的優位を取られるとDFはキツいんです。

シティに対して後半リブァプールはどのような対応をしようとしたのか?

後半の序盤のZ3でのプレッシングは3TOPをより締めて圧力をかけていこうとする傾向が見えていた。Z2からの組織的守備ではマネのスタート位置を下げ、ワイナルドゥムを右サイドに出して4-4-2で構えた。hexagonの組み方が変わった。中へのパスはミルナー&ヘンダーソンが警戒。
この変化はサラーを前へ残しておくための変化ではないかと思う。

ただシティとしてはそんなに嫌がってるような雰囲気も感じません。
53分には4-2-3-1に変化します。

ミルナーに変えてファビーニョを投入。
サラーを完全に前に残して攻撃に専念させようとしたのかもしれません。
後半も2TOPの守備では前半からの名残で右サイドに引っ張られてしまう傾向がありました。中央にサラーを残しました。ファビーニョとヘンダーソンでシティのMFをボールサイドではマンマーク気味に押さえにいき、SBが前に出たときにはそのスペースをカバーするような意識を強めたのではないかと思われる。
ただこの変更によって変化が生まれたのはリヴァプールの攻撃の局面だったのかと思います。それは後ほど。

シティはリヴァプールの構造を上手く突いて後方からのポゼッションを安定させ、ネガティブトランジッションの局面も安定させていきました。

両チームのボールロストしたポイントです。リヴァプールのプレッシングに対して自陣中央でボールロストはほとんど起こっていません。ボールロストする位置を決めることができたので次の局面ネガティブトランジッション(リヴァプールのポジティブトランジッション)をコントロールすることができていたのだと思います。本当の狙いはここだったのかもしれません。

「いい状態でできるだけ早く前進すること」をまさに表現した。チームでボールを持って前進することで距離感を維持し、その後のカウンタープレスを容易にし、その次のポジトラ、または組織的守備への移行をスムーズに行うことに成功した。

リヴァプールの特徴・個人の特徴を突いて、計画的な「ポジショナルプレー」によって、ストーミングを起こさせない。計画的なポゼッションによってゲームの流れ(4局面の流れ)を生み出す。
これがシティの狙いだった。


シティ 組織的守備 (オールコートプレスで蹴らせて勝つ)
             VS
リヴァプール 組織的攻撃 (ストーミングのためのポジショナルプレー)

シティはアグエロ&Wシルバをチームのエンジンにしてリヴァプールの時間を奪いに行きます。オールコートプレスかと思わせるぐらいアリソンにまでプレスをかけ、アリソンにロングパスの選択をさせるように強いる。



Z3でのプレッシングではアグエロ&Wシルバの3人はCB2人とヘンダーソンに押さえながらスペースを押さえて献身的にプレッシングを行い続けた。

アリソンに前線へのロングボールを選択させてしまえば4人で待ち構えているシティはヘディングの争いではリヴァプールの3TOPに勝てると踏んでいたのだと思う。そしてまとまってプレスをかけている分、そのままスペースを圧縮してセカンドボールの回収に成功している場面が多かった。

Z2では6人がスペ-スを圧縮して密度を高くしてスペースを埋めてプレッシングの強度を高めた。この距離感でボールを奪う、またはトランジッションが発生した時のことを考えるだけでも何が起こるのか想像できます。


理想的なプレッシングはこれだと思います。

鰯の群れです。一糸乱れず集団でシンクロしています。
集団で一気に向かっていくシティの選手達。まさに群れを作ってプレーしています。

しかし、リヴァプールの得点シーンでは、リヴァプールの陣形変更によって生まれたスペースを利用されてしまいました。
リヴァプールが後半陣形を変形させたことによって生まれたスペースを利用してゴールを生み出した。

変更後ワイナルドゥムが中でプレーすることが多く、ロバートソンがより高い位置を奪ってプレーすることができた。ビルドアップはCBとWボランチの2人のボックスで前進を行っていた。
リヴァプールの得点シーンでは、左SBロバートソンから右SBアーノルドまで展開し、高い位置を取っていたロバートソンがシティのDF達の視野の外から飛び込んでヘディングで折り返してフェルミーノがゴールした。DFの視野の死角を利用した素晴らしいゴールでした。(DFはボールサイドに視野を確保するという習性)

シティはギュンドアンがD・シルバに変わって入り、前の3人での守備とフェルナンジーニョのサポート攻守に行う。

シティがリード後もインテンシティを高めていく。そこで活躍を見せたのがリヴァプールGKアリソン&シティGKエデルソンのブラジル代表GK。ともにピンチを迎えるも落ち着いた対応であたかも何事もなかったかかのように振る舞っている。ほんとにかっこいい。この2人が同じ国の代表でプレミアでプレーしている。なんて贅沢な。世界でもTOPのGKが2人もいるブラジルはとんでもない。

最後は総力戦。ファン・ダイクを上げ放り込むリヴァプール。跳ね返すシティ。

ゲームが終わった瞬間のこの抱擁がすばらしいこのゲームを表しているシーンではないでしょうか。

まとめ

シティがデザインされたゲームを遂行した。
最近思ってたのがシティは組織的守備のフェーズで前線の守備の仕方が
3TOPを押し出してプレッシングをしていて前と違うなとずっと思っていました。3人でという所は似ているのだけど、トランジッションで両ウイングを前に残す選択をしているのかなと感じていました。でも今回のゲームを観て、このゲームのために違う選択をわざと見せていたんじゃないかと思いました。インサイドMFが押し出して行った方がカバーシャドウでプレッシングをかけやすいし、ウイングがハーフスペースを閉めればアンカーのサポートもできる。プレッシングという観点でみるとこのtriangleを10人で形成した方がかけやすいかな。

様々な駆け引きが行われていたと思うし、いかに効率的に相手をやっつけるのか?
ただその根底にあるのは効率的に闘うために非効率になることも厭わず徹底的に行う覚悟。前線3人の運動量、特にB・シルバやばいでしょ。

そして・・・ゲームの流れを、結果を決めたのはこのプレーかもしれない。

この数㎜のために最大の努力を払うことができるのか?
ゲームの行方を決めたのはこの数㎜だったのかもしれません。
この数㎜にいろんなものが詰まっているような気がしてなりません。
これがこの世界の住人であるために資格なのかな。

素晴らしいゲームをありがとう

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人の心を動かすのは「正しさ」よりも「楽しさ」だ。
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