ショップの皆様からのお便り紹介
PIPPOでは、ショップの方からお便りをお寄せいただくことがあります。
前回に続き、今回もPIPPOの会報誌(2022年10月号）から転載してご紹介
いたします。
ショップの雰囲気が伝わってくる素敵なお便りです。
「第2川越いもの子作業所」さんからのお便りです。
『第2川越いもの子作業所の高島です。お世話になっております。
以前お伝えしましたが、コロナの影響が出始めてから既に2年半近くの
時間が経過し、作業所の授産の状況は大きく変化しました。
今も私たちの作業所の仲間は対面販売に出る事が出来ません。川越市内の
企業や学校への訪問販売も2年以上実施しておりません。
いもの子煎餅は「対面販売」による販売比率が高かったので、
影響は大きく、仲間たちの日常の仕事を直撃しました。
コロナ禍でも仲間たちの仕事を維持するための工夫や努力を始めて約2年が経過し、ようやく次の段階が見えてきました。
対面販売が無くなる事によって失われたのは、売上だけではなく仲間たちの仕事そのもの。
対面販売があると準備や販売、売り上げの計算や入金、片付けなど沢山の仕事がありました。
しかし、今は対面販売が無くても仲間たちは違う仕事を始めています。PIPPOにも本当に助けられています。
対面販売ではプライスカードや各種POPを作りますが、ネット販売では商品に同封する施設や商品の紹介カードやお礼状を準備します。
また、対面販売では商品はプラケースに詰めますが、商品を発送する場合は、梱包、包装、伝票の起票、発送準備と細分化すると仲間に出来る事が
沢山生まれます。
取引先に関しては、この1年近くで、埼玉県以外のエリアの新規取引先が
どんどん増えています。
特徴はいくつかありますが、商品力は勿論の事、ネットワークの拡がり(いもの子煎餅という"タンポポの胞子"が全国に飛んでいき、各地に根を張り育っていく感覚!) が一番大きな財産になっています。
例えば、企業から受注したお歳暮で福島県の電気工事店に飛んで行った
お煎餅がキッカケで福島県内に8つの新規取引先が生まれました。
横浜では、市内の高齢者施設に卸しているお煎餅がキッカケで横浜市内に
6つの新規取引先が生まれました。
その原点は「仲間が作るいもの子煎餅」です。生活介護の仲間たちが工程のほとんどを自分たちの力でやっていることに自信を持っています。
そして、コロナ禍だからこそと施設見学に来ていただき、自信を持った仲間たちとつながりが生まれることで、多くの新規取引先が生まれています。
私の中では、全てのスタートはPIPPOにあると思っています。
実はネット販売に取り組むには、作業所内で様々な議論がありました。
私自身も前向きになり切れない部分がありました。理由は梱包費、
送料等お客様にご負担いただく商品代金以外のものが発生するからです。
結果的には、お客様にとても高いお煎餅を買っていただくことになる...。
当たり前の事ですが、“安くて美味しい、いもの子煎餅”を大切にしてきました。お煎餅が高く売れて多くの利益が出ることは否定するものではなく、
でも“仲間の給料でも気兼ねなく買えて美味しいお煎餅を作りたい”という
気持ちも忘れてはいけないと考えてきました。
PIPPOが普通の通販サイトであったなら、PIPPOに参加させていただくことはありませんでした。作業所や働く仲間たちを応援しようとする意志がPIPPOの代表理事の言葉から伝わってきたことが、私自身を動かしました。
そして、仲間たちのストレートな気持ちも後押しをしてくれました。
「高いお煎餅になっちゃうかもしれないけど、今までいもの子煎餅を知らなかった人や食べた事のない人に食べてもらえるかもしれないんだよね。それって嬉しいことだよね。」
話し合いの中での仲間の発言です。
この度、川越から全国に飛んでいくいもの子煎餅が、国会の議員会館内の
売店で販売されることになりました。象徴的な場所での販売となり、仲間もとっても喜んでいます!
PIPPOで出店を開始してから、作業所のホームページもリニューアルしました。現在はSNSを通じて仲間たち自身がいもの子煎餅や小江戸うどんを発信することはもちろん、自分達を表現する場となるように準備を進めています。
私自身もあと何年この仕事を続けられるかわかりませんが、これからは
私自身がPIPPOに何かお返ししなければと考えています。』
いもの子作業所様のモットーは、「もっとたのしく、もっとゆたかに」
「もっと」とは「現状に満足することなく常により良い製品を作り、
より良いサービスを提供できるように努力する」ということ。
「楽しく」とは笑顔になるという意味でもありますが
「成長することの内面的な楽しさ」を意味されています。
深い意味が込められた、素敵な一文です。
高島様からのお手紙は、PIPPOをいつも励ましてくださいます。
PIPPOショッピングモール 「第2川越いもの子作業所」
コシの強さとみずみずしさが自慢の「小江戸うどん」のセット
第2川越いもの子作業所さんからのお便り紹介でした。
PIPPOに興味を持ってくださりありがとうございます。PIPPOの運営費に使わせていただきます。