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ベンチで眠るおじさんの幸福

涼しくなってきた。まだ日中は暑いし、クーラーをつけることも多いけれど。
でも、少なくとも出勤退勤のドライブ時は、窓をあけるだけでとても気持ちがいい。

特に仕事が終わって、夕暮れのなかで冷えた風を感じると、それはもう幸せだ。生活や仕事のなにが辛かろうが、とにかくその瞬間は幸せなのだ。だから秋はいい。

なにせ、暑がりだ。涼しいのが好きだ。夜、風呂上りに涼みに出れることのなんと気持ちのいいことか。さっきそれをやりに公園に行ったら、疲れもあって横になりたくなった。なので、おりゃーとベンチに体を放り込んだ。仰向けだ。ほんとに寝てしまいそうなのでアラームもかけた。

虫の声が遠くなったような、近くなったような、不思議な感覚だった。
さっきまでスマホを見ていたのに、すっかり僕の意識は空中をさまよって、森を思い出したり、暮らしを眺めたりしている。
ステテコに肌着で出てきてしまったので、もはやすこし肌寒い。でもそれが心地よくて、眠ってしまいそうになりながら季節を感じていた。

急に中間管理職となり、以前より心身に重りが溜まっている感じがしている。
それでもやっぱり、こういう瞬間はとてもとても幸せだ。それはきっと、疲れのおかげでもある。

なにがあっても、過ぎ去ってしまえば人生の彩りだ。もうすぐ1歳半になる娘の名前には、そういう意味がこめられている。
暑くても寒くても、それが故の楽しさがあって、それが過ぎ去ったあとの趣がある。

そんな余裕を忘れようにしたいなとおもう、9月の終わりだった。



僕をサポートすると宝クジがあたります。あと運命の人に会えるし、さらに肌も綺麗になります。ここだけの話、ダイエット効果もあります。 100円で1キロ痩せます。あとは内緒です。