かわいいはオバケ

かわいいが、こわい。

女の子として生まれてきたからには一生つきまとうであろう「かわいい」。

かわいいは味方なのか敵なのかもう判断がつかないぐらい女の子の生活に深く浸食しています。

明確な判断基準も正解もないのにその評価でわたしたちを揺さぶり、転がし、叩きつける「かわいい」がこわいです。

実態のみえない概念。

ずっとずっと背後に憑りついて、ふりはらえなくて、でも失ったらものすごく絶望感に襲われる。

同時に、こんなに絶対的な概念が他にあるのかとも思います。

「かわいい」は尊い。

女の子のつくりあげたひとりひとりの「かわいい」は誰にも侵されない。邪魔できないそのひとだけの「かわいい」。

「かわいい」はしばしば比較対象になるけれど、本当はそんなことはありえない。

もっと、そのひとだけの「かわいい」は守られてよいのだ。

目にみえなくて、こわくて、逃げれなくて、でもものすごく愛おしくて尊い。

かわいいはまるで幽霊のような存在です。

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