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2022年G-1グランプリ決勝戦を通して

ここは私の日記帳なので全部正直に書く。

『G-1グランプリ』と言う芸歴15年以上のお笑い賞レースが今年の1月から始まった。
コンビやユニット内の誰かが芸歴15年以上であれば誰でも参加可能でネタジャンルは不問。
漫才、コント、漫談、落語、お笑いであればなんでもありだった。

私が好きな漫才コンビ三拍子は芸歴21年目。
6年前にM-1グランプリの出場資格を失った彼らは今年G-1グランプリにエントリーした。

三拍子は本気で優勝を目指していた。

M-1に出られない悔しさだとか、2026年武道館単独ライブ開催に向けて様々なことに挑んでいる姿を見ていたので、当人達が優勝を目指すならば応援したいと心の底から思った。

そしてあの2人が本気で取り組むのなら優勝するのだろうと信じていた。

そういう応援の気持ちとは別に、賞レースで優勝する為の三拍子の漫才を見たいと言う欲が湧いた。普段のライブでは見られない、M-1の出場資格を失ってから三拍子を知った私はまだ見たことのない漫才を見たいと思った。

1月の予選も、2月の2回戦も、3月の準決勝も、そして今日の決勝も、応援の気持ちとは別に「三拍子の漫才を見たい。」と言う欲があった。

あまり良い例えではないが、麻薬のようだと感じる時がある。三拍子の漫才が最も気持ちよく笑える。一度見たらまた見たくなる中毒性がある。何度見ても飽きないどころか更に好きになる。

他の芸人さんではどんなに笑ってもそうはならない。

だから三拍子が出ないお笑いライブに行くと、笑うことは笑うのだが物足りなさを感じる。

その後に三拍子が出演するライブを見に行った後は、ものすごく満ち足りた気分で帰路につく。物足りなかった部分が埋められてやっと満足することができる。

良く笑いのツボは人それぞれだとか言うが、私のツボにハマるのが三拍子の漫才なのだろう。
まだファンですら無い初見時からそうだった。

さて、今日のG-1グランプリ決勝戦では配信視聴者と来場者による投票があった。1番おもしろいと思う組を1つ選んで投票し、もっとも多く票を集めた上位3組まで審査員の得点に加算されると言うシステム。

開演前と投票前に、主催者から何度も念を押されたことがある。

「今日のこの大会で1番おもしろいと思うコンビに投票してください。好きだからとか応援しているからとか、今までおもしろかったからとかではなく、今日見た中でおもしろいコンビに投票してください。」と。

私はいつだって三拍子の漫才が1番おもしろいと思う。どのライブを見てもネタ番組を見ても。

今日だってそうだった。三拍子が1番おもしろくて1番気持ちよく笑った。また見たいと思った。
だから三拍子に投票した。

結果、配信視聴者&来場者投票で三拍子は1位。
審査員票と合算して三拍子は7位だった。
優勝にはならなかった。

三拍子がやったのはネタの大半が歌の漫才で、審査員の方々も司会の方もそこに戸惑ったらしい。「漫才が見たかった。」と呟いていた。

私は今日の漫才を見たかったし、見ることが出来て嬉しかった。1番楽しかった。

決勝戦後の配信でなぜ正統派の漫才ではなく、あの漫才を選んだのかと言う理由が語られた。
それを聞いてますます三拍子を好きになった。


ずっと優勝すると信じていたし、優勝してほしかったし、今日の漫才もおもしろかったので7位で三拍子が呼ばれた時は愕然とした。(9位から順番に読み上げていた。)

その後に他のコンビ名が読み上げられるたびに義務的に拍手をしたが手に力が入らない。
みんな何かしらボケて客席も笑うのに、なかなか笑う気になれなかった。

5位からは賞金が出る。目録を受け取り喜ぶ姿を見るのがつらかった。
優勝者にはトロフィーが渡された。コンビの一方は涙を流して喜んでいた。

会場を出れば優勝者のファンが抱き合って喜んでいる。

とにかく「三拍子の漫才がおもしろかった。」と言いたかったので手っ取り早くいつものようにTwitterのアプリを開いたのだが、投票で念押しされたことを思い出してどう書いたら良いか分からなくなってしまった。

私は本当におもしろいと思ったんだけど、側から見たらファンだからそう言っている(書いている)ように見えるのかなとか、下手したら負け惜しみに見えるのかなとか考えてしまった。

ツイッター廃人なので「何も書かない」という選択が出来ないのが悲しい。

結局、思ったまま「ファンだからとかじゃなくて今日見た中で三拍子が一番おもしろかった。」と呟いた。

本当にそう思っているのに、上手く伝えられないのが悔しくて恥ずかしながら電車の中で泣いてしまった。ファンであるがゆえに「おもしろい」と言う言葉から説得力が無くなってしまうことが悔しい。三拍子が優勝しなかったことも悔しい。「漫才が見たかった。」と言われたことも悔しい。全部悔しい。他人事なのに。

最後に自分のことで悔し泣きしたのはいつだったか思い出せないくらいなのに泣いた。というか周りに人がいる場所で泣くのももうこの年になるとなかなか無い。大体我慢できる。(映画館は除く)

スポーツとかなら良くありそうだけどお笑いの大会で泣くのはいかがなものかと自分でも思う。
優勝したら感動で号泣するつもりだったので準備はしていたが。

とにかく悔しい。今も悔しい。

ただ、唯一の救いは我々にはこれがある。

1000人キャパ単独ライブ。

1000人キャパの会場がどれくらいなのか想像も出来ないけどとにかく楽しみで仕方がない。8月開催予定。あと4ヶ月。

あと「悔しいけど悔いはない。」

この言葉を聞けてよかった。


G-1グランプリの決勝戦はステージがとにかく豪華だった。

開演前にバシバシ写真を撮りながら
「三拍子に出会わなければここに来ることも無かったのか。」
と感慨に耽ってしまった。

ほんの3年前までお笑いにほとんど興味がなくテレビに良く出る芸人さんの顔と名前も良く分からなかった。
まして、ライブで活躍する芸人さんの存在など知る由も無かった。

そんな私がお笑いの賞レースの1回戦から始まって、決勝戦でこんなに豪華なステージのライブを見るなんて。

G-1グランプリだけでなく、普通のお笑いライブも単独ライブもアイドルのコンサートもライブハウスも三拍子きっかけで初めて足を運んだ。既に良い景色見せてもらってる。

推してて良かった三拍子。これからも推そう。

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