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子どもどうする問題

どうやら夫は子どもがかなり欲しいらしい。

イタリアを経てスペインからの新婚旅行の帰路、トランジットの空港で夫がぼんやり「娘がいたらな〜」と呟き、あっ、そうなんやと驚いた。これまで夫は、幾度となく私から投げかけられた「子どもを欲しいと思うか」という質問に対してずっと「分からない」と答え続けていたのだ。

そして先日、寝付く前に布団の中でゴロゴロしながら話している時に、ふと子どもの話になった。いつも子どもの話になると夫にひらりとかわされることが多いのだが、この日は私が少し突っ込むと、「俺は脳内でパパになっている」という。ま、まじか。脳内パパにならざるを得なかったのは、これまで私が子どもは欲しくないと付き合っている頃から言い続けていたからであろう。しかし、これまで子どもが欲しいかどうかすら分からなかった人間が、自分が父親になった姿を想像するって結構、いやかなり子どもが欲しくなっているのではないか。考えが変わったなら言ってよ〜と私が言うと、貴方は自分のことになると途端に視野が狭くなるし、俺の意見にすぐ左右される傾向があるから…と言われて、まあその通りではある…とぐるぐる考えているうちに、その日は眠気に吸い込まれていった。

そもそもなぜ子どもが欲しくないのか

子どもが欲しくないのにはいくつか理由がある。

第一に、私はメンタルが非常に弱い。結婚を機に上京した際、環境の変化など諸々が相まってメンタルがぶっ壊れてしまったのだ。今はほとんど回復してはいるものの、ふとした瞬間に希死念慮がやってくるので油断ならない。回復にもかなりの時間を要したので、今は生活する上でメンタルが病まないことを最優先に自分なりに気を遣っている。

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