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ベランダ飲みのすヽめ

家を選ぶ時の基準は何ですか?

私はバストイレ別とコンロ2口以上は譲れない。

そして次に来るのが眺望。珍しがられるけれど、北向きだって気にしない。
窓の外に何が見えるのか、それが私にとっては重要。

実家を出てからしばらく経つし、引っ越しも何度かしたけれど、家選びの際に眺めを気にしたことはなかった。
仕事人間で基本的に家にいないし、土日も出かけるタイプだったから。

その考え方がガラッと変わったのは、コロナが一番流行していた時に家探しをしたとき。
不動産屋さんイチオシの物件。道路を挟んだ向かいがお寺のマンションの内見に行った時、桜吹雪が見られるベランダにすっかり心を奪われてしまった。

「家にいる時間が長くなるから、窓からの眺めはいい方がいいですよ。」という不動産屋さんの言葉に納得して、即決した。
コロナ次第でいつどこに行くかも分からない私に、2年縛り不要で貸してくれると言った大家さん。(もちろんめっちゃいい人)
そして今までより広い1DK。角部屋。

文句は一つもなかった。
またあの地域に住むことがあれば、絶対にあのマンションに戻りたい。

お寺の向かいだから、見えないとはいえお墓もある。何かを感じてしまう人もいるかもしれないけれど、私はまったくそういうのには疎い。
何かが起こるどころか、その家に住んだ半年間、生活はものすごく安定してたので、相性よく守ってもらっていたのかもしれない。

夏に決まった異動先は、徒歩と電車で1時間半かかることが分かった。それまでチャリ通15分だった私には信じられないような時間だったけれど、始発駅から座って通えたから、引っ越さなくてもいいかな?と思ってしまった。

結局、秋の終わりまで引っ越さなかった。
おかげで満開のツツジ、うるさいほどのセミの声、色とりどりの紅葉を楽しませてもらった。


次の家は地元を選んだ。
正直、異動先は実家から通う方がアクセスがいい。実家に戻れば生活費を入れたとしてもお金は貯まる。

だけど長い時間実家を離れると、もう戻れない。
地元と呼べる範囲内で、実家からほどよい距離、職場にもアクセスが悪くないところを探した。

地元での家探しの利点は、地理や町の移り変わりがよく分かることだ。

物件探しサイトで目をつけた新築マンション。
閑静な住宅街、坂道が多いエリアだけど立地は坂の上の方。開発は一通り終わっているはず。

ピンときて内見へ。

結果、カウンターキッチンではないこと以外に不満がなかった。カウンターキッチンも憧れというだけで優先順位は低かったので、自分でも納得できた。

そりゃ住み始めたら色々気になることもあるけれど、肝心の眺望が最高!!!

まず、道路を挟んだ向かい側は、新しい一軒家が並んでいる。大きな家や古いアパートが取り壊されると、その後には3階建くらいの縦長な家が複数建つ。まさにそんな感じのエリアだ。

そしてこの部屋は周りの一軒家より高い階層なので、視界を遮られていない。周りにも同じくらいの高さのマンションしかないし、土地の作りが複雑なので大型マンションは建たないだろう。

目の前には何もないからとにかく空が広い。
安全面から全部をお見せできないのが残念だけれど、夕焼けも朝焼けも青空も最高。
雨雲だって動きが分かる。

夕焼け
朝焼け

毎日これを独り占めなのだ。
やや東向きだから、カーテンを開けておけば目覚ましをかけなくても朝日で目が覚めるというインスタグラマーのような生活だって送れる。

この空を独占しながらベランダでお酒を飲む夕方。
世界の1/3くらいは自分のものになったんじゃないかと錯覚する。

夕陽が動くのを見て、空の色が変わるのを見て、空港かどこか他の場所へ向かう飛行機を眺める。
団地の共用通路の電気が一斉につくけれど、少し時差があって、それがきれい。

気づくと1時間くらいすぐ経ってしまうけれど、全然飽きないのだ。心が満たされるってこういうことなんだなあと、じんわり噛みしめる。

地球って美しい。


ただ、この家でのベランダ飲みの唯一気になることは、元カレの家が見えること。まったくの偶然だし、先に引っ越して来たのは私の方。(ここ大事)

徒歩5分くらいの距離、電気がついているかいないかくらいは分かる。モールス信号なら届くかもしれない。

まあ、だからと言って何があるってわけじゃないんですけど。これだけ近いのに偶然会うってこともないし。

ただどうやっても視界に入るので、ベランダ飲みをしているときには、もう帰って来てるなーとか、今日カーテン閉めてないなーとか考えてしまう。

うわ、文字にするとストーカーっぽくて嫌だ。笑

向こうからも見えてしまうわけだから、酔っ払ってベランダで変なことしないように気をつけよ。

我が家にお越しの際は、ぜひベランダ飲みが楽しめる季節に!

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