【5e】君にもDungeonMasterが出来る!バトルマップとモンスター基準で作る冒険の準備

8月から「赤い手は滅びのしるし」を回そうと気合いを入れたmashです。このシナリオ自体は3.5版用ですが、5版で遊ぶためのガイドラインとマップは英語でに入るので、これを利用して5版で進行します。
前回までは「キングスフェスティバル」を遊んでいたメンツに、「ザナサーやソードコーストを混ぜて4レベルでビルドして」とお願いして、続きを遊ぼうってことにしたんです。
ですが、「赤い手は滅びのしるし」は5レベルから開始が推奨。1レベル分引き上げる必要があります。また、"赤い手"はシナリオ内でも推奨されているのですが、割と激戦勝つ熾烈な戦いに身を置くことになるので、マジックアイテムをプレイ中に作るとか買うとかの時間は無い。シナリオには「○○日後に××が起こる」という指定まである。そのため、「少し強化しておく」くらいがちょうど良いのだ。
だが、タダでマジックアイテムを与えるのも歯ごたえがない。そこで、「マジックアイテムを作るための素材を拾ってきてもらう」シナリオを作ることとした。

今回のシナリオ作りの参考資料

今回は単純にFoundry VTTの操作に慣れてもらうことと、PCの強化の前座としてちょっとした戦闘と探検が出来ればいいや、って割り切りでシナリオを作ろう。そう考えたとき、以前みた1つの動画を思い出した。

アメリカのTRPG界で評価の高いライターにしてYoutuberのMatthew Colvilleの”Prep Can Be Literally Easy and Actually Fun”という動画だ。この動画では、友達のために簡単なセッションを準備して見よう、という「ダンジョンマスターのススメ」とも言うべきモノだ。

この動画ではセッション準備を以下のような段取り出行おう、と解説していた。

PCが冒険するマップを探そう

まずは、今回のキャラクターが冒険する場所のマップを探す。これに関してはネットに山ほどあるからそこから探し出してみよう。今回例に出した動画ではCze and PekuのPatreonから探すことを推奨している(自分もここは推奨する。無料で手に入るマップも多く、一つ一つの質も非常に高い)が、自分の場合今回はFoundry VTTでプレイするので、そのプレイ用マップを使用する。
今回は前回のセッション「キングスフェスティバル」の舞台スタランフォードの街から3日ほど離れた森の中にしよう、と決めた。だから森のマップをいくつかピックアップする。また、ただ森の間を移動するのもつまらないので、最後はちょっとしたダンジョンにしたい。ダンジョンに誘うにはどうしたらいいかは、それはマップを選んでから考えようってことで、ひとまず無心にマップを探した。
その結果、以下の3つにした。

  • Foundry VTTのマップ配信用モジュール「Forgotten Adventure Battlemaps」のForest Trail(森の小道)

「Forgotten Adventure Battlemaps」のForest Trail(森の小道)
  • かつて購入したバトルマップ集「Quarantine Bundle V3」にある「Forest Ambush」と「Cavern of Whispers」

Forest Ambush
Cavern of Whispers

さて、舞台となるバトルマップは決まった。この場所でどのような冒険をするか…を考えて、基本路線は「ドワーフの鍛冶屋が先々代の作ったマジックアイテムのレシピを見つけた。そのために必要な素材を集めてくれ」と言う単純なモノ。だけど、森に行って何かを見つけてくるにしても、この森がどう言うところなのか考えないとな…ってことで、インスピレーションを得るために、次はランダムチャートに頼ることとした。

ランダムチャートでインスピレーションを得る

今回インスピレーションを得るために使ったランダムチャートは、Sly Flourishから出版されている Lazy DM's Companionの「Core Adventure Generator」を使用させてもらった。適当にチャートを振り、インスピレーションのわく言葉が降りてくるまで待つのだ。

Lazy DM's Companionの「Core Adventure Generator」より抜粋

適当に転がして行くうち、「冒涜された森」という言葉が導かれた。「冒涜された」…なにに?…大昔落ちてきた隕石に…隕石からは「隕鉄」と呼ばれる特殊な金属が取れることがある…その素材を使えば、魔法使いでなくても魔力のあるアイテムを作れる、そういう技術を鍛冶屋の先祖が編み出していて、それが蔵から見つかった…と言う体でスタートさせればいけるのでは…?とインスピレーションを巡らせた。これで、シナリオの始まりは決まった。

モンスターはどうする…?

ということで、次はそれぞれのマップに出すモンスターである。僕はモンスターデータを集めるのが好きで、Kobold Pressの出しているTome Of BeastとCreature Codexのファンだ。だがなかなかこのデータを実セッションで出すタイミングがない。ならばこのタイミングで登場させよう!と決めた。
「冒涜された森」なので、普通のモンスターマニュアルに載っていない変わったモンスターが出てきてもいい。そのモンスターの情報を、鍛冶屋とか森の中の死体が持っていた手記とかから断片的に伝えてもいいし、〈魔法学〉や〈自然〉の技能チェックに成功すれば…

「…むぅ、あのモンスター…まさかこの目でお目にかかる日が来るとは」
「なに?知っているのか雷電!」

「魁!男塾」の異世界転生ものでありそうな台詞

と言うことだってもちろん起こりうる。まったく知らないモンスターでも、断片的に情報を与えればプレイヤーに対するアンフェアさは減衰できるし、むしろ「やべぇ生き物にあっちまった」って気持ちになってくるだろう。
ということで、今回森のモンスターでだいたいCR1~3のモンスターを数種類選んだ。データだけならOGLで公開されているので、そのデータへのリンクを用意する

  • サンセットラプター
    尻尾に視線を合わせたクリーチャーを魅了する効果があり、ターン開始時に視線が通っている場合はターン開始時に判断力セーヴを要求される、飛べない猛禽

  • ツリースキナー
    木の中に同化することが出来、木と同化している間はその樹木の枝や葉をムチのように操るフィーンド

  • スキッターホーント
    巨大甲虫に寄生する粘液状の生物。攻撃した相手に自らの体の一部を浸透させ繁殖を狙うことも出来る

こんな感じのみたこともないモンスターを配置、いろんなとこから情報を与えたり、難易度15程度の自然、あるいは魔法学で看破させることを試みたりしてデータを与えることとした。

ここまでの準備、約30分

ここまで揃えて考えるのに、だいたい30分。Foundryにセッティングするのに更に30分程度で十分セッションは回せるだけの情報は揃ったのではないか…ということで、ここまでの準備で先日セッションを回してみた。
プレイヤー達の判定の目が走っていたせいで、モンスターの能力はすぐに知られることになったものの、知られたら知られたで魅了だの酸だのの効果を聞いたらみんなどうやって避けるか考えはじめるし、洞窟の中にいる巨大甲虫にどう立ち向かうか、戦闘について議論している様を腕組みして聞いて最後に結論が出るまでの間じっとその話を聞いている(合間の質問には答える)というのはDMならではの楽しみの一部でもある
割と軽量のセッション準備でも、戦闘中心で組み立てていけば割と楽しく遊べるようになるゲームです、D&Dは。

みんなも気軽にマスターしてみよう!

というわけで、もし「自分はプレイヤー専業だからな…」みたいに思ってる人がいたら、いつもマスターしてくれる人をプレイヤーに招いて、まずは簡単でハードルの低い戦闘ミッションのシナリオを組んで遊んでみよう。ストーリーは卓上で出来上がるもの、って考えで、あとは戦闘中ああでもないこうでもないと試行錯誤するプレイヤー達の言葉に耳を傾け、そのアイディアに応えてみよう。それだけでもだいぶ楽しいセッションは進められます。m
まずは簡単に準備をして、当日プレイヤーのアイディアに応える。それで最初は十分です。そこから市販シナリオのこってりとしたキャンペーンに進んでみたり、自作キャンペーンをはじめて見たり、色々試みていけば良いと思います。

では、今回はこの辺で。皆さんのTRPGライフのお役に立てれば幸いです。

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