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【5e】そもそも "5e" ってどういうことよ?【世界一有名なファンタジーRPGの第5版】

注意:本記事は全編無料です。応援いただけると軽率に買ったサプリメントの翻訳や利用、感想とか捗るので、ちょっと試験的に販売ボタンをつけてみます。

そもそも"5e"ってなによ?直接"D&D"と呼べないの?法務が怖いの?

回答:多くの場合、それらが"D&Dではない"からです。

オッケー。最初から解説するね。

Dungeons & Dragons というのはもともとTSRと言う会社が発行していて、紆余曲折あった末に現在はWizerds of the Coast(WotC)が発行してる、世界初にして世界で一番有名なRPGのタイトルだ。マジック:ザ・ギャザリングのメーカーとしてお馴染みの会社だね。最近映画にもなった。
君が遊んでるファンタジーRPGにでてくるあれやこれや、その多くは指輪物語か征服者コナンシリーズか、あるいはこのDungeons & Dragonsが産んだと言っても過言ではない(過言かもしれないがここは通させてくれ)。
そんな偉大なRPGの一部を取り出し、ファンコンテンツ制作のために自由に参照して構わない文書として提供されているのがSystem Reference Document(システム参照文書:SRD)だ。

上記のサイトからダウンロードできる英語の文書がその「SRD」だ。この中にはD&Dでお馴染みの種族、お馴染みのクラス、お馴染みの武器・防具などのデータ、お馴染みかつD&D独自"ではない"モンスターのデータなどがまとめられている。ここにあるデータは、末尾にオープンゲームライセンスのライセンス文書、あるいはクリエイティブコモンズ4.0使用時の規定さえ守れば好きに君のコンテンツに織り込んで良い。

無料のD&Dならもうすでにあるじゃん?SRDは違うの?

無料のルール?それならダンジョンズ&ドラゴンズ基本ルールがあるのでは?と勘のいい人は気付くかもしれないが、基本ルールはSRDではない。基本ルールはD&Dの製品なのでフォーゴットンレルムについての説明などがちょっとだけ載っているが、SRDには世界観説明に関する記述は皆無だ。なぜなら世界観を作るのは、この文書を参照しているユーザーの方だからだ。

D&Dフルセットと、基本ルールと、SRDの関係は以下の図のような関係だ。

D&Dルール文書の関係性

D&Dフルセットから世界観描写や企業が版権を持っているモノを取り除いた極一部の抜粋がSRD、そのSRDを元にしてD&Dの最低保証だけまとめているのがD&D基本ルールだ。こういう関係性になってる、というのは覚えておいてほしい。基本ルールに入ってないウォーロックとかソーサラーとかティーフリングとかはSRDには入っている。

さて、なぜ5eなのかっていうと

というわけで、今回の本題。
なぜ、D&Dのサプリメントとか呼ばずに"5e"サプリメントと呼ぶか、それは「D&Dを発行している会社の許諾を取ってないから」である。SRDを参照してその内容を元に改めて世界やデータを作成して商品としてまとめた『D&Dと同じデータ形式と同じダイスロールで遊べる"別の"ゲーム・データ』が5eサプリメントだ。でも、元はD&Dと同じルールなので、だいたいD&Dに持ち込んでも使えるデータがそろうことになる。SRDの内容を全部使って、その上で追加データを用意するキャンペーンセッティングもあれば、クラス・種族は全部新しいモノを用意してダイスロールと一部アイテムだけSRDを使うとかもある。この辺はライセンス文書さえ貼り付けていれば「5e」を名乗っていい。名乗るために特に許諾は必要ない。ライセンス文書を貼り忘れたりした場合に訴えられるかもしれないがそれは作る側のミスなので法務が怖いという話ではない。

だいたいこんな関係になる。

でも、上の図を読んで判るとおり、基本的にD&Dの内容は取り込んでいない。ダンジョンズ&ドラゴンズの第五版のSRDを採用しているけど、ダンジョンズ&ドラゴンズ『ではない』ので、「第五版SRDを元にしたサプリ」程度の意味で「5th Edition のサプリ」通称 5e サプリだ。

D&Dの同人サプリも出せるルートはある

とはいえ、D&Dの同人サプリ作りたいって人も居ると思います。『俺の考えたフォーゴットンレルムの新しい街』とか『俺の考えたグレイホークにいそうな新しいNPC』とかそういうの。そう言うモノを出す販路もあるにはあります。

ダンジョンズ・マスターズ・ギルドというWotCから公認のマークが貰える出版サイトです。ここから電子書籍・電子画像ファイル・ハードカバー(オンデマンドプリント)を出す手続きをすれば、D&Dの独自用語を書き入れた本を売ることが出来ます。
裏を返すと、ここで売っていない5eのマークのついた出版物は『ダンジョンズ&ドラゴンズの公認を取ってない(必要ないので)』なわけです。だから5eサプリと呼んでいます。

5eサプリはじゃぁ何が面白いのか

これに関して言うと、自分の場合

ダンジョンズ&ドラゴンズに使える面白データが大量にある

例えば、モンスターデータの本は5eサプリの花形で、本当にいろんなモンスター本が存在する。サードパーティーの雄Kobold Pressが発行しているTome of Beasts(獣の書)シリーズは「第二のモンスターマニュアル」と居るくらいスタンダードなシリーズだ。ドマイナーな伝承から持ってきたモンスターから、『僕の考えた超人コンテスト』レベルで脳からまろび出た珍妙なモンスターまで様々4冊で1500体近いモンスターが提供されている。もう1人の人生で使い切ることが出来ないモンスターが並んでいるのだ。みてるだけで気持ちいいぞ

ダンジョンズ&ドラゴンズでは味わえない面白世界感が楽しめる

D&Dと同じルールで遊べる、ファンタジーではない作品もモリモリ存在していまして。例えばUltramodern5のような近未来から遠未来をフォローするSFアクション用サプリメントとか、Iron Kingdom:Requiemのような、イカしたロボットも出てくるスチームパンクとかもある。

こういう世界観で遊んでみたいってのもあるし、ここにあるデータをD&Dに持ち込んでも楽しいだろうなぁ…ってのもある。パラパラとデータやイラスト眺めてるだけでも楽しい。
あと、独自のルールをプラグインして更に面白くしてるパターンもあるし、そういうルールは自分のキャンペーンに持ち込んでみるのもアリだなぁって思っちゃうじゃないですか。

もしかしたら自分でも作れるんじゃね?って気持ちがわく

ダンジョンズ&ドラゴンズのルールをそのまま利用しているので、少なくともルールの完成度が保証されてるわけじゃないですか。そこに自分のやりたいことのデータと設定を載せていけばそれで1つ新しいキャンペーンソースブックが出来るわけですよ。そしてそういうことをしている人が海の向こうには沢山居るわけです。Kickstarterで "5e RPG"で検索すると結構いろんなモノが出てきて、中には普通に1000%越えのプロジェクトとかも沢山出てくるのですよ。自分が気になってBackしちゃったのはこの辺ですかね。

https://www.kickstarter.com/projects/kinksandcantrips/kinks-and-cantrips

https://www.kickstarter.com/projects/fionashadestories/adventure-college-student-handbook?ref=user_menu

https://www.kickstarter.com/projects/devillich/dungeon-denizens

同じ人間なんだから、当然俺たちにだって出来るよなぁ?って気持ちが沸き起こってしまうわけです。なんか1つ作りたいって気持ちになってきますね、って事で「なんとかラブライブとD&Dをくっつけられねぇかなぁ…」ってのを日々考えてます。幻日のヨハネの設定を使ってならいけるんじゃね?みたいな妄言を吐いて今日は筆を置きます。

次回はちょっと間を置くと思う。読む暇がほしい。

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