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フィジー記🇫🇯観光業は優しい南国を幸せにするのか

大学のフィールドワークと個人ステイで、かれこれ25日間フィジーにいた。

フィジー最大の観光都市、ナンディ(Nadi)に始まり、ナンディで終わる。


でも、私はこの都市にいると悲しくなる。

それは、観光地に来た私と、そこで働いているフィジー人たちは、お金を介した関係でしかないのだと感じまくるからだ。


例えば、フィジー人はとてもフレンドリーで、街を歩いているとみんな "Bula" (フィジー語で "Hi") と笑顔で声をかけてくれる。

でもナンディでは、重いスーツケースを持って階段を降りていると、"Bula" でも "Can I help you?" でもなく、"Taxi?" とみーんな揃って声をかけてくる。

"No thank you." と言うと、そこで彼らとのコミュニケーションは終わり。

彼らは私に対して、「この人は、どんな人なんだろう?どこから来たんだろう?」という人として興味があるのではなくて、「この人はお金を落としてくれるのだろうか?」という財源としてしか興味がないのかと思うと悲しくなる。

せめて、"Bula" って言ってほしいな。


他にも、ツアーをしてくれた運転手さん。
私が、river extraction (砂を売るために河床を掘り起こしたり、岩を削ること) にフィールドワークの時に興味を持ったという話をしたら、自分の村で川を埋め立てて作った住宅地があるから、後で見せてあげるよ。他にも、サトウキビ畑や村がある場所にも連れていくよ。と、車の中で話していた。

でも、ツアーに含まれてないから追加料金FJ$50と言われて、帰国前日で残金がほぼなかったので断ったら、機嫌が悪くなってしまったみたいだ。

その後、奥さんがしているヘナアートしてみる?と進められてやってみたかったのだが、これ以上お金を使うと空港に行くタクシー代とご飯代がなくなってしまうので、それも断った。

それからは、私が午後に行きたいと話していたフェスティバルの話になり、「何で行くの?タクシー?」
「昨日はどうやって来たの?ホテルまでは何で行ったの?」
と、タクシーを利用するという言葉を引き出して、それなら自分が乗せていくよ!と、追加料金がダメならタクシー料金を取りたいんだなぁと感じさせる会話を投げかけられた。

でも、残金的にもあと1回しかタクシーには乗れないので、「バス」を連呼していたら、もう質問はされなくなった。

往路では、雑談をしたり和やかな雰囲気だったのに
復路では、「タクシー?」「バス」のやり取りが終わったら、ずっと無言だった。

隣にいた奥さんとフィジー語で話していたけど、私には何も話しかけなかった。これ以上話しても私からはお金は出てこないからかな。

今まで楽しく話していた分、優しくしてくれたのは私がお金を払ったからなのかなぁと最後に思ってしまって、やっぱり悲しくなった。


もちろん、ナンディにもとても優しいフィジー人はいて、同じ場所でご飯を食べていたら、これも食べる?って+1食分くらいシェアしてくれて(フィジーには、"kelekele" という自分のものを相手にシェアするという文化があります)、ジュースも奢ってくれて、家の近くまで送ってもらったりもした。

でもナンディでは、ホテルやタクシー運転手などの働いている人とはそういう関係にはなれないなと思う。

他の都市では、そのホテルに泊まったり、タクシーに乗ったりしたら、従業員の人と仲良くなれて、親身に心配してくれたり、何か困ったことがあったら連絡してねと言ってくれる。そんな、Pacifikan culture が好き。


でもナンディでは、「何かあったら連絡してね」も「おすすめの場所をするよ」も、紹介をすることによってマージンをもらえたり、追加料金を請求できるからなんだなって思ってしまって、素直に観光でリフレッシュしたり、ゆっくりできない。

そもそも、私がそういう言葉の裏の雰囲気を感じられてしまう人なので、それが原因なのかも…。


フィジーには、友達に会ったり、Villageに行くためにまた戻ってきたいけど、ナンディは通り過ぎるくらいにしたい。

でも、フィジーにそんな場を作り出したのは、紛れもなく私たち観光客の需要なんだよね。


25日間で会ったほとんどの人が、「フィジーが好き」「海外でお金を稼いだり、新しい世界を見てみたいけど、その後はフィジーに戻ってきたいと思っている」と言っていた。

しかし、ナンディだけは、「賃金が安いのに物価が高いから嫌だ」、「オーストラリアの方が稼げるから、オーストラリアに移住したい」と言っている人が多かった。


ナンディで笑顔を見せてくれた彼らは、幸せだと思える日々を送れているのかな。

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