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パリオリンピック開会式感想

現在時刻深夜真っ只中ですが、眠い目をこすりながら書いています。

映像は聖火ランナーを持ったフランスで有名だというコメディアンが、間違った場所に聖火ランナーを持ってきてしまうというスタート。そこから代わりにスーツ姿のジダン氏が登場し本来の会場へ聖火を運ぼうと走ります。カラフルな車や街頭のテラス席にいる人々の中を颯爽と走っていきます。

地下鉄に乗って会場へ向かうジダンでしたが、地下鉄が停止し、窓から子供たちに聖火を託すジダン。
子供たちは地下水路で、小舟に乗った謎のフードと覆面を装った人物と遭遇し、一緒に船に乗って開会式の部隊であるセーヌ川へ出ていきます。

その後カメラは生中継へと移り、オーステルリッツ橋が登場し、フランス国旗を模したトリコロールの煙幕が張られます。
橋下から、聖火を乗せた小舟と、ギリシャ選手をはじめとした選手が船にのって、その後一つの国家あるいは複数の国の選手団が船に乗って登場します。

まず、セーヌ川上で船に乗って選手が登場するのが新しくて、そんなのアリなんだという印象…。

選手の登場の合間に、フードと覆面を装った人物が、パリの建物の上をパルクールのように駆け抜けて、度々出てくるショーの会場へと走っていきます。

ガガ様が登場し、圧巻のパフォーマンスで素晴らしいのです。

パルクールの演出で眺めることができるパリ市内の街並みは、建物ひとつひとつが石造りで統一感があり、非常に魅力的です。

船から手を振っている様々な選手の笑顔を見ると、世界を取り巻く戦争や紛争、移民問題なども今宵は忘れさせてくれるようですが、華やかなパフォーマンスを見るとそれとは対照的に、フランスでは移民問題やパリ郊外ではスラム街での暴動問題、リアルタイムでは高速鉄道の爆発があることなど、表と裏について思考が巡ります。
ただ、こういうイベントを通して世界が交流し、このようなイベントを起点として希望を持ち続けることができるようなオリンピックの力は良いなとも思うわけです。


ショーの演出は本当にカッコいいです。
愛(アムール)の表現や自由に向けて戦ったレミゼラブルをモチーフとした映像の後に、フランス革命でのギロチン処刑を豊富とさせる、生首を持った女性が次のカットで登場し、しかもそのような女性が塔に何十人もいて、ロックミュージックのパフォーマンスと建物全体から血飛沫のような演出は民主主義を形作るうえでの歴史であり、今の社会を形作ったフランスの誇りであることを示すようで、攻めた演出でしたが、非常にセンスを感じました。

他にも、ルーブル美術館内を聖火ランナーが走り、絵画の中の登場人物が動き、館内から会場を除くシーンやパリコレを彷彿とさせるような奇抜なファッションのダンサーたちが行うショーなど、会場では雨が降っていたようでしたが、雨もパフォーマンスのアクセントになっているようで、その力強さとフランスのアイデンティティを前面に押し出した演出は非常に見ごたえがありました。

パリ市内を冒険してきた聖火は、開会式の終盤まで持ち越されます…。
一時「聖火どこいった?」とトレンドになってましたが、マクロン大統領の開会宣言の後にちゃんとフォーカスされて灯されてるので安心してください。

東京オリンピックと比べる方も多いと思いますが、パリ五輪を通して、自分たちの歴史や軸を通して自分たちが大切にしたい概念を自信を持って守り続けて発信することは大切なのかなと感じました。
日本は古来の神道や中国文化、明治時代に西洋文化を取り入れるなど層状に文化を形成したきたこともあり、なかなか日本独自の概念について考えを巡らせることは難しいですが、歴史や世界との違いを学ぶことで、世界に訴えかけられるような普遍的なものを今後、世界に訴えかけることができると良いなと感じました。

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