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マーケティングとは「組織の革命」である/盛岡毅氏

マーケティングとは「組織の革命」である
盛岡毅氏/株式会社刀 代表取締役CEO


集団知は個人知に勝るという考え方を私は信じています
どんな人間にも盲点があり、発想の起点を増やして意思決定の死角を減らす、集団の知恵を引き出せる組織が中長期戦では必ず強い

組織は一人の力を発揮させるためにどのような仕組みを備えるべきか?
その秘訣は「人間の本質」を理解し、精神論では無いシステマティックな仕組みを構築すること

では逆に一人はどのような方法で組織をより良く変えていくことができるのか?
組織を変える個人技とは、端的に言えば「提案するスキル」です
このスキルが強い人ほど変化の起点になれる確率が高いのです
たった一人でも変化の起点になることはできます

マーケティングには消費者の購買行動を決定的に変える力があるのに、多くの会社がその力を活かせていません

企業にマーケティング力を構築する最大の課題は何か?
最重要課題は、組織改革です
強い組織は、人の強みを引き出し、人の強みを組み合わせてボトルネックを消します

本当に強い組織とは、例えば60点の人に90点を取らせることが出来ます
私は組織力とは個人技とシステムの掛け算だと考えています

ビジネスを行なう目的で編成される組織においては、主な機能はたった4つしかないと私は考えます
・マーケティング機能
・ファイナンス機能
・生産マネジメント機能
・組織マネジメント機能

◯マーケティング機能
売上を獲得する能力
商品開発もマーケティングシステムに含まれるべき重要機能です

◯ファイナンス機能
お金を管理する働き

◯生産マネジメント機能
商品を継続的に生み出し続ける一連の機能
原材料調達、工場での生産、在庫管理、物流管理

◯組織マネジメント機能
人と人をより生産的に働かせるための仕組みを常に最適化していく一連の機能

チームの生産性を劇的に上げる秘訣
ボトルネックを作らないとは、一連の機能の中で最終成果を限定しているボトルネックを発見して改善し、最終成果を最大に持っていくこと

人が緊張感なく楽に過ごせる組織は遠からず滅びます
本当に優しくあるためには、リーダーは冷徹でなければならない
人に責任を持つならば誰しもが備えるべき覚悟ではないか

■市場構造のDNAは「消費者のプレファランス」

市場構造に変化をもたらす震源である1点をひたすらモニタリングすること
その1点とは市場構造を形作っているDNAとも言うべき存在、消費者のプレファランスです
プレファランスとは、消費者のブランド選択における「相対的な好意度」のこと

■消費者視点で全社連動させるマーケティングシステム

最も力点を置きたい結論
商品開発機能は、生産システムではなく、マーケティングシステムの中にあるべきということ
消費者視点で全社を連動させるカギは、マーケティング戦略の下で商品開発を機能させること

マーケティングを理解していない人が誤解して使う狭義のマーケティングは「販促プロモーションの仕事」を意味します
こういう会社では「作ったものを売る」社内構造の中で限定された下流部分でしかマーケティングが機能しません

◯人間の本質とは自己保存である
人は自己保存のために変化を嫌う生き物ではあるのですが、生存確率を高めるためには好ましくない行動でもあえて行なう自己保存の生き物でもあるのです

■自分起点で会社を変える個人技
下の立場から提案を通したり組織を変えたりするにはどうしたらいいのか?
下の立場からでも「変えられること」と「変えられないこと」の両方があるのです

組織をより良く変えたり、ビジネスで良いアイデアを思いついたり、何らかの提案をしたいと思った時に考えなければならないこと
『その提案が誰の目的にとって正しいのか?』
自分の目からは重要と思える提案も、実はあなたが勝手に良いと判断しているだけです


動かないルールの一つ目は、決定権限のある人の目的次第で判断が為されること

提案を通すことが苦手な人に共通するスキル不足は、まず「自分の視点でしか物事を見ていない」ということ
集中して相手のアジェンダを推理、洞察する時間をしっかりと確保すること
なんとなく思いついたことを相手に伝えて失敗していないか

視野が狭いだけならまだしも、中には「わかってくれない」、「会社は理解してくれない」と大きな不満を抱えてしまう人がいる
まるで自分の提案を買う義務が上司や会社にあるかのように勘違いしている

プロとして成功するために真っ先に必要なのは、自分に矢印を向ける覚悟です
会社が理解してくれないのは、自分の力が足りないからだと、まずは認めることです

◯組織文脈を理解するための3つの切り口
⑴関連する組織の目的と戦略の
⑵誰が意思決定車なのか
を軸にして考える

組織文脈を理解するための3つの切り口
❶自分の属する組織と、上位組織、下位組織、それぞれの目的と戦略は何か?
❷それぞれの重要事項における意思決定者は誰なのか?
❸上司とその上司、それぞれの評価が何によって決まるか?

■あなたは一体何を変えたいのか?
目的の明瞭な設定とは、自分自身のメリットではなく、意思決定者のメリットを探して選ぶということ
❶意思決定者が何に困ってるかを調べる
❷組織に色濃い不文律や暗黙知から調べる
❸普遍的な経営のキーワードから仮定する

■マーケティングは夢を売る、憧れをつくる
商品開発の絶対価値として最上位が「美」
その下に
コンフォート/快適性
スターブル/適切な
グッド/ものの良さ
モラル/道徳的

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