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三菱から学ぶ人間学と組織力/PRESIDENT
磯野の感想
創業者である岩崎弥太郎さんの底辺から財閥を作るまでのバイタリティはスパライものがあり、創業者のエネルギーの強さを学ぶ事ができます
私が思うに三菱の素地、文化を作ったのは4代目の岩崎小弥太さんです
「公の業」という国家社会のために仕事を行う、という考え方、事業本来の目的を明確に持っています
この考えに至るは、日本国内だけの視野からは学べず、イギリス留学の際の「ノブリス・オブリージュ」を知ったことによるのだと思います
そこから生まれた三菱の「三綱領」
1.所期奉公:期するところは社会への貢献
2.処事光明:フェアプレイに徹する
3.立業貿易:グローバルな視野で
自分のために、会社のため、ではなく、社会のため、地球のためという気概を持ちたいと思います。
成功への物語/茂木健一郎氏
従来の常識が壊れ、新しい秩序が生みだされていく時代において、弥太郎はヒーローだった
イノベーション論でいえば、弥太郎が取り組んだのは多くの競争相手がひしめく「レッドオーシャン」ではなく、全く新しい分野を切り開く「ブルーオーシャン」であった
ブルーオーシャンを泳ぎきるために必要なのは、何が起こるか分からない「偶有性」の中ではっきりと方向を見極め、予想もしていなかった展開にも迅速に対応する柔軟さと実行力である
魂を紐解く
弥太郎が経営者として優れていたのは、優秀な人材を集めたことです
4代目の小弥太がたどり着いたのが「公の業」という考え方でした
『自分は国家社会のために仕事を行う考えである
三菱とか岩﨑家の利害などは第二、第三の問題である』
と述べ、私的な利害を超えたところに事業本来の目的を見出したのです
企業は社会的な存在であり、社会的な意義のある仕事をすべきで、単に利益を稼ぐだけではだめだということを、社内訓示などで何度も強調しました
小弥太は『三菱に入ったときから奉公の心得で経営に従事してきた』と述べており、本業で社会に貢献することの大切さを理解していた人物でした
イギリス留学先で学んだ「ノブレス・オブリージュ」の体現者だったといってもよいのかもしれません
社会的地位の高い者が社会に対して果たすべき役割を、自分なりに消化して、自身の行動原理にしようとしていた
「三綱領」と遺訓を令和に生かす
三菱グループ三綱領
1.所期奉公・・・期するところは社会への貢献
2.処事光明・・・フェアプレイに徹する
3.立業貿易・・・グローバルな視野で
三菱商事会長/小林健氏
世の中が不安定な時代に、従業員の不安を解消して一つにまとめていくために、「社会の役に立とう」「公明正大にやろう」といったメッセージが自然と生まれた
現場を理解したうえで、現場から離れて机上で考えることで、客観的に捉えることが出来、最も妥当な結論を導き出すことが出来る
そして、やるからには公明正大にやる、まさに「処事光明」です
そうでなければ従業員は共感しません
「所期奉公」とは、経済価値だけでなく、社会価値や環境価値も含めた三位一体で取り組むこと
人から信頼されることの大切さ
信頼を得るためには、一生懸命取り組むことが必要です
自分の仕事ぶりは、必ずどこかで誰かが見ています
もう一つはあまり奇をてらわないこと
論語に「行くに径(こみち)に由らず」という言葉があります
「径」とは裏道や抜け道のことで、『近道を通ろうとせず正道をゆけ』という意味です
公明正大に取り組んだ結果なら納得がいきますが、奇策を弄して失敗すれば後悔することになります
また奇策を弄すると、誰かを犠牲にします
正道があるならば、その道を進むべきです
大事なことは正道を進んで失敗したときの施し方と言えます
私たちの守る伝統とは、古いものを壊すことだ
三菱重工業会長/宮永俊一氏
仕事では使命感があるからこそ頑張れる
「自分のため」と考えた瞬間に人生はむなしいものになってしまう
後に続く人のため、ひいては社会のために変えるのだという意識がやりがいにもつながるし、結果として会社や社会を良きものにしていくのだと思います
事業の出発点を「世の中が必要としているもの」という視点で探索した
現在で言うマーケット・オリエンテットの思想があったのだと思います
最強三菱語録50「三菱財界人」不屈の金言
第5代日経連会長/大槻文平氏
「ハンブル・ライフ」
物質的には質素な、精神的には謙虚で心豊かな生活態度のこと
元三菱金属社長/永野健氏
「経営者は教育者でなければならない」
人材の育成に終わりはありません
三菱電機取締役会長/柵山正樹氏「失敗を気に病んでも仕方がない。将来それが勲章になるように頑張れ」
三菱にはチャレンジを推奨する土壌とともに、「大きな目標に挑む際には、三菱の仲間として連携する」気風があるのだなと感じるようになりました
「仕事が人を育て、人が仕事を拓く」
人が仕事を拓くとは、成長した人は先輩の到達したレベルを超えて、更に高いレベルを切り拓くという意味
つまり常に先輩を乗り越えていくことが大切だと
AGC代表取締役兼会長/島村琢哉氏
日本には100年以上の歴史を持つ企業が約3万社あるといわれています
それらの企業に共通していることは3点あると思います
1.常に長期的な視野に立ってること
2.聖域なき変革に取り組んでいること
3.創業の精神を忘れないこと
入社以来、先輩方から「王道を歩め」という言葉です
つまり、仕事や社会に対して常に誠実であれ、フェアプレー事業を運営せよ、ということを意味します
三菱地所取締役会長/杉山博孝氏
私は入社してすぐに経理部に配属されました
経理の仕事は地味な仕事なので、正直あんまり面白くないと思っていた時に、上司から言われたのが「どんな仕事にも愛着をもってくれる人が、会社には必要なんだよ」という言葉でした
愛着を持って向き合うことで仕事は上手くいくし、仮にうまくいかなくても、次の仕事の糧になるという意味です
ユーグレナ社長CEO/出雲充氏
どうして三菱は短期間にしてそれだけの強力な組織を作り上げることが出来たのか?
とにかく新人への投資が半端ではない
色々な業界で一流を極めた人を招いての講演があったり、先輩行員である各支店のエースを膨大な人数連れてきて、付きっきりで後輩の指導に当たるなど、そうした研修が1か月以上、みっちり続く
ローソン社長兼CHO/竹増貞信氏
「選択と集中」
正しいと判断したなら必ずやり切る、やり切れば花開くと信じ突き進む
岩﨑弥太郎と渋沢栄一の大喧嘩
この二人は対立関係にありました
それを象徴するのが「向島の対決」と呼ばれる大論争です
権限とリスクは才能ある物に集中すべしという「独裁主義」で会社を築く岩﨑
多くの人の資本を知恵を結集する「合本主義」と儒教の精神に基づく道徳と経済を両立した「道徳経済合一説」を唱える渋沢
渋沢は決して禁欲主義者ではなく、お金儲け自体を否定していたわけではありません
彼が否定してのは「不義にして富む」こと、つまり、不正な手段で利潤を追求することでした
利潤の追求は道義に則って行わなければならない
最終的に勝利者になるのは、不思議とモラルを自分の商売の本質と見る渋沢のような人です
理由は簡単で、そのほうが永続的に儲かるからです
資本主義の構造がそのようになっているからです
本田健の「早熟な人が、一発屋で終わってしまう理由とは」
仕事でもプライベートでも「やろう」と決めたらすぐやるほうです
本の執筆でも、書きたいテーマが決まればその場ですぐに章立てを考え、1時間後にはもう前書きを終えています。
「よーい」の姿勢に入ったら、「ドン」の号令を待たずに全力で走り始めるイメージです。
足踏みしている時間がもったいないからです。
「炭のような人間になれ」
焚き火で木はパッと炎が上がってメラメラ燃えるがすぐに燃え尽きてしまう。
炭は火を起こすまでに時間はかかりますが、いったん燃えるとなかなか消えません。
焦らず、炭のようにジワジワ成功していけばいい。
長く燃え続けるコツはら人から飽きられないことより、まず自分が生涯飽きないテーマを探す事です。
テーマは同じでも、時代に合わせて自分でリノベーションしていくことご大事です。
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