見出し画像

ホーム・ミロンガ

タンゴダンス愛好家なら(まだタンゴダンス勉強中の人やミロンガが嫌いな人は別として)誰しも自分の居心地の良いホームとなる常連のミロンガを1つや2つ持っていると思う。

私がBsAsでいつも参加していたのは、少し郊外にあり、床が大理石で広々とした、金曜日のミロンガである本家"La Baldosa"でした。あとは、誰でも来るCanningやカベセオ専門El Beso、若者の多いVilla MalcolmやViruta、土曜日の伝統的ミロンガSunderland、遠いSunderlandに行く元気がない時はMilonga 10とかおなじみをいくつも持っていました。

この話をしているのは、おとといの日曜日に友達の主宰するミロンガで
タンゴダンスエキシビションの依頼をいただき、ダンスデモをさせていただいた後のリラックスした場で、聞いた話について思ったこと。

普段、その男性はあるミロンガに顔を出していて、曜日によってDJや参加者が違ったりすると、雰囲気が自分がいつも過ごしているミロンガではなくなってしまって残念だという。どうしたら良いのか?と。

私は"帰れば良い"と答えた。

ミロンゲーロ(タンゴダンス愛好家)としての私なら2つの選択肢しかない。そのいつもと違う雰囲気を楽しむ方でいくのか、あるいは無理して合わせないでその日のミロンガ は諦めて帰るか。
違う雰囲気を楽しめるようなタイプではないと思ったので、前者の自分を無理しないパターンをすすめた。

私自身、タンゴダンス教室を主催のかたわら、月に2回ほどミロンガを開催しているので、あぁ、そういうふうに思う人もいるのだなあと実感として思いました。ミロンガは主催者やDJよりも参加者で雰囲気が変わるものなのだが、主催としては来てすぐ帰られると結構ショックなものなのです。しかし、自分がその立場ならそれも致し方ないかとも思った次第です。

不満に思いながら参加するぐらいなら、いさぎよく帰る。

ミロンガにはそんな人も居た方が、実は健全なのだとミロンガ主催者として再認識しました。


それと同時に、今回はパフォーマーとして参加した立場としては、自分たちが普段行かないミロンガでデモすることは、実はそこのミロンガの雰囲気を変えてしまい、常連にはいつもの感じを台無しにしている可能性もあるのだということを携えてデモに挑まねばならないことを再認識しました。

もちろん私たちにエキシビションを依頼したのは、そのミロンガの主催者なので、主催者がその責任(雰囲気を変えてしまったこと)を負うべきことです。パフォーマーはその役割を果たしているだけなのですが、演技者本人にその話をされると本当に救われない。

雰囲気が変わって嫌だと思った人には、ぜひ帰って欲しいととも思いました。

だから、その彼に話した”帰れば良い”というのは本当に正解なのでしょう。

タンゴダンス教師、ミロンガ主催者、ミロンガDJ、スタジオ経営者、タンゴ愛好家(ミロンゲーロ)とさまざまな面を持つ私には、今回の話はかなり考えさせられることでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?