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醍醐の花見

春だね。
ポカポカ陽気が気持ちいいし、お腹いっぱいで眠くて午後から仕事なんかやってらんないね。

今年のお花見は京都。
桜の名所、醍醐寺にお出かけ。

ここ醍醐寺は700本の桜が植えられ名所の並ぶ京都の中でも随一の名所なのです。

なんで700本も桜が植えられてるのかっていうと、ここで醍醐の花見という酒池肉林のお花見大宴会が開かれたから。主催者は豊臣秀吉。

醍醐の花見といえば、豊臣秀吉の二大主催イベントのひとつ。名古屋の人は派手好きだって言うけど、この人もそうだったのかな。

近畿一円から700本もの桜の木を集めて植え、殿舎や庭園の整備も自ら指揮をとって準備したそうな。
こういうの好きな人ってすごいよね。
普段はちょっとめんどくさい人だったりするんだけど、イベント事の時には頼りになるっていうか。

私もそうだけど、責任負いたくないしリーダーになって人をまとめるってなるたけやりたくない。嫌われるリスクもあるし。

秀吉さんは人使いが上手かったっていうよね。嫌々じゃなく、喜んで仕事をさせるように仕向ける術を持ってたって。

難しいんだよそれ。結局嫌われるから、そういうもんだって割り切るのが仕事なんだって思うしかなくて。でも本当はやり方次第なんだろな。分かってるんだけど、頭が固くなっちゃって難しいんだな。上手くやりたいのに。持って生まれたもんなのかな。

招待客は約1,300人。ほぼ全員女性。
その女性たちに1人3着の打掛を新調させ(衣装代だけで39億!)お花見の間に2回着替えさせたとか。着替える方も大変だな。

この醍醐の花見の逸話にもう1人、人の扱いが上手い人がいてさ。

前田利家の奥さんのまつが、豊臣家の女性たちが杯を受ける順番で争い一触即発な雰囲気をサラっと円満解決させてしまうエピソード。

杯を受ける順は身分の順ではっきり決まっている。

1番は正室の北政所
つづいて2番に松の丸殿…と思ったら3番手の淀殿が当然のように前に出たので松の丸殿が待ったをかける。

松の丸殿「いやいや次は私でしょ。浅井の娘がなに出しゃばっとんねん」

淀殿「跡取り産んどるのはこっちやぞ。そっちこそ出しゃばるなや。」

と、言ったかどうかは定かではないが、そんなようなことで相当ピリッとしたんだって。

正しい順番としては松の丸殿の方が断然上で、淀殿が出しゃばってるんだけど、この人気い強そうだからなー。

そんな緊迫した空気の中に、割って入ったのが前田まつ。(松の丸殿とまつ似ててややこし)

まつ「年の順からいったら私じゃなーい?」

格で言うとまつは淀殿よりもっともっと下の方、そんな場でしゃしゃり出るような位じゃない。
だからこそ、それが可笑しくて一瞬で緊迫した空気が和んでしまう。

天然じゃなくて分かっててやってるんだよな。こんな場で上司の奥さんの喧嘩にひと言申すなんて、1歩間違ったら殺されるかもしれないのに。

ここでハッキリ「客人ほったらかして身内のいがみ合いを晴れの席で晒すな見苦しい」などと苦言を呈してたりしたら本当に命はないだろうけど、結果誰も傷つけず場を制している。

こういう風に出来ればな。
厳しく言うばかりじゃ本当に言いたいことは伝わらないんだって、最近よく思う。自分が言う時も、言われる時も。

暖かいと思ったらまた寒くなって、風邪をひきました。皆さんもお気をつけて。

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