僕の名は。
妻は僕を色んな名前で呼ぶ。
新一郎さん、いちくん、Baby、Honey、うさぎちゃん、パパ…その時の気分で呼びたい様に呼ぶ。
僕をパパと呼ぶ時は、2種類の意味がある。
ひとつは、文字通り子供達のパパである僕に用がある時。もうひとつは、まるで父親が娘にする様に、僕に甘やかして欲しい時。
今日は子供達は祖父母宅にお泊まりで、家に2人きり。僕は久々の家デートだと考えていたけれど、妻は朝からずっと僕をパパと呼んで、子供の様に戯れてくる。
妻の考えてる事を完璧に理解する事は出来ないけれど、きっと今日は大人でいたくない日なんだと思う。手の掛かるわがままな娘でいたい日。僕に無条件で許され、愛されたい日なんだと思う。
そして後ろめたさから時々、色っぽく甘えてキスをねだり、僕の要望にも応えてるよね?とバランスを取ろうとする。
「生まれ変わったらパパの子になりたい」と言い「あなたが娘なら僕の妻は誰?」と聞けば「誰とも結婚しちゃ嫌」と拗ねる。
生まれ変わらなくてもまだまだ時間はあるよ。父親が必要なら、あなたの理想の父親を演じるよ。恋人が必要なら僕以上の適役はいない。可愛い弟が欲しいなら、4人兄弟の末っ子の僕がピッタリだと思う。無償じゃないし、見返りも求めるけれど、きっと満足させてあげる。
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