Dougal The Garbage Dump Bear(翻訳)

沢山のぬいぐるみの写真と英文。ところどころ破けてボロボロ。犯人は1歳の息子。ミルクをこぼしたり、かじったり、裂いたり、やりたい放題。

ハワイのコンビニで何となく買った絵本。こん本は捨てる…でも勝手に捨てたらいかんと思った…と妻が持って来てくれた。

あぁ、これはこのまま捨ててはいけない本だね。内容だけでも書き留めて、息子に聞かせてあげなくては。くまのダッフィーより小さかった息子は、ダッフィーを振り回して暴れ回る。いつか、そんな彼の心に何か残すかも知れない。

背表紙ごとべりっと破けて、表紙も既にどこかに行ってしまった、ぱっと見、題名も作者も分からない状態の絵本だけれど、僕はこれを息子の為に翻訳しようと思う。

Dougall The Gabage Dump Bear / Matt Dray
ドゥーガルはちいさな恥ずかしがり屋の、でもとても優しいくまちゃん。
一度も家の中の他のオモチャと遊んだことがありません。何故ならドゥーガルと違って他のオモチャは全部新しくてきれいで完璧だったから。
ドゥーガルは「ボクもみんなのように新しかったらなぁ」と思いました。
それはちいさな女の子がお茶会を開いた日、全てのオモチャが大集合、それはもう夢のようなパーティーでした。
テーブルの上にはケーキや、ジンジャーナッツビスケット、ちいさな三角形のサンドイッチ!それもピーナツバター!いちごミルクまでありました。
黒い顔をした男の子のお人形が歌い、ぶたのピンキーが冗談を言い、ミスターとミセスバニーは赤ちゃんをみんなに見せています。
でも誰ひとりドゥーガルには話しかけてくれません。だから静かに座ってケーキを食べました。
パーティーの終わりが近付いた時、雨が降り始め、女の子は大急ぎでオモチャたちが濡れないようにと家に運びます。お気に入りのオモチャから順番に。ドゥーガルの番になった時、雨は激しくなり既にびしょぬれでした。女の子は連れて帰ることを諦め、ドゥーガルは一晩中雨の中で過ごしました。
次の朝、女の子のお父さんが見つけた時、ドゥーガルはびしょぬれでテーブルの前に座ったままでした。
お父さんは「このくまはもうダメだな」と言い、そのままドゥーガルをゴミ箱に捨ててしまいました。
ドゥーガルはどうしてもゴミ箱が好きになれませんでした。それで女の子が来て、嫌な匂いがするこの場所から、ボクを助けてくれないかな?と待つことにしました。
次の日の朝早く、トラックの音が聴こえ、ゴミ箱のすぐそばに止まりました。突然ドゥーガルはゴミ箱ごと持ち上げられ、ゴミと共にトラックの荷台に投げ出されてしまいました。
トラックはどんどん女の子の家から離れ、止まるたびにゴミがドゥーガルの上に落ちてきました。それから長い時間トラックは止まることなく進み、やっと止まった時、トラックの後ろのドアが開き、ドゥーガルはゴミと一緒に地面に放り出されました。
ドゥーガルは眩しいお日様の光に目をパチパチさせて、ここはどこだろう?と思いました。
突然大きな吠えるような音がして、地面が揺れ、鉄の車輪がついた大きなトラクターがガタガタと通り過ぎました。もう少しで頭を轢かれるところでした!
それから大きな口をあけて、恐ろしい顔の機械がドゥーガル目掛けてやってきました。
その機械はとても大きくて、たくさんの煙を吐き出していたので、きっとドラゴンに違いない!ドラゴンはすぐ近くまで迫ってきて、きっとボクは潰されてしまうんだ…ドゥーガルは怖くなりました。でもドラゴンが寸前で止まり、中から男の人が飛び出すと、ドゥーガルを地面から拾い上げ、安全な場所に置き、そのままドラゴンに乗り込みました。
ドゥーガルはそこにずっと座り、ドラゴンや大きなトラクターやトラックが仕事をするのを見ていました。
仕事が終わると男の人は、ドゥーガルをトラクターの中に入れ「またね」と帰ってしまいました。ドゥーガルはまたひとりぼっちになるのが嫌でした。でもトラクターの中は暖かく、とても静かで、誰かに守られているように思えました。

今回はここまで。

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