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おんなのこ


幼い頃に少女漫画を読み過ぎた。
吉住渉さんのマーマレードボーイから始まり、数々の物語を何度も繰り返し読んだ。
漫画によっては100回を超えるものもあると思う。

お母さんはそんな姿に呆れる事なく、くらもちふさこさん、岩館真理子さんなど、お母さんが大事にしていた漫画をむしろ進んで読ませた。
誰にも止められる事なく少女漫画の世界に没頭する10代を過ごした。

20歳を越えると読む回数が減っていった。
もう読まないかもしれないと思いながら、高知に引っ越した時も岡山に引っ越した時もダンボール2つ分のお気に入りを連れていった。

学生生活が終わり働き始めてからは好きな漫画家の新刊を買って数回読むだけになり、それ以外はクローゼットの奥にしまったままだった。

数日前に突然読みたくなり、クローゼットの段にのぼり、分厚い洋服たちを下ろして何冊も引っ張り出した。
記憶に遠いページをめくりながら、そうだった、こうだったと思い出しながら読み進めた。

恋する女の子たちは皆んな、わたしが抱いていた印象よりもずっと、自分自身の心に向き合い行動する勇気を振り絞っていた。


少女漫画を読み過ぎたから夢見がちになったのだと、人から言われた事も自分で思った事もあった。
好都合な夢の世界に没頭していたのだと思っていた。

わたしが幼い頃に描かれた少女漫画は、待っているなんて我慢できない、願いは自ら叶えるものだという情熱を抱く少女で溢れていた。
そんな少女象に恋焦がれていたのだと思い直した。



27歳の現実は憧れとは果てしなく遠いところにある。

憶測では傷つくくせに
現実的に傷つくのは絶対嫌で
反応を試してまた憶測で傷つく
のを繰り返す

自分で燃やす気はないけど
他人が燃やすと罪になるゴミ人間!




自己嫌悪から抜け出すのに必要なのは
上辺であがき続ける事じゃない。

沼の底を目指して進もう
泥を食べて味わえば
苦しいだけじゃない何かがある
あると信じてゆっくり進もう


その先にやっぱり憧れには近づけない自分がいたとしても、絶望せず、それをそのまま表現すればいい。

漫画家になりたかった小学生の頃、自分には無理だと描くのを諦めたけど、生き続ければ諦めなくていい事が多くある事を知っている。

画像はアルコさん著"銀河"の表紙です🌌



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