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映画悪は存在しない


現在公開中の映画『悪は存在しない』を一度だけ観ました。
濱口竜介監督の作品が好きで、以前から観に行くと決めていた映画です。
上映終了直後は、立ち上がれず、周りも皆んなそんな感じで、仕方がないから膝を立たせて頑張って動かしている感じで歩きました。

たくさんの見解や評論がありますが、今回は何にも触れず、ただ静かに置いておこうという気持ちでいました。
そんな時、小、中、高、共にバレーボール部で切磋琢磨した我らがキャプテンから映画について話したいとLINEが届きました。
その内容を踏まえて感想を綴ります。



以下、作中のネタバレあり。



まず、この物語を3部構成として捉えてみます。

【1部】
豊かな自然の風景や、そこで暮らす人々の生活。そこに舞い込んでくるグランピング場計画。一見対立して見える村民とグランピング場計画者。

【2部】
グランピング場計画者の私的な一面。人間の多面性と、自然と開拓者の調和への可能性。

【3部】
はなちゃん行方不明事件〜エンドまで。


次に、わたしの中の流れを説明します。

【1部】
序盤は何も考えず、映し出される世界を眺めながら、少し眠気を感じるくらいぼんやりしていました。
グランプリングの話し合い会議の始まりを合図に、一気に目が開き、不安と葛藤の渦に迷い込みました。
村民側からの視点で、グランプリングに批判的な視線を向けながら、実はそちら側にも事情があるのだろうとも思っていました。
スーツを装った2人を観察して、というよりは、これまでの人生経験から「まあそんなもんだろう」と判断したのだと思います。

【2部】
想像通り、2人にも例外なく葛藤があり、一生懸命生きている姿に共感を覚えました。
と同時に、一生懸命であっても、村民の感情や思考に実際的には添えないどうしようも無さにもやもやもしました。
タイトル通り、誰が悪いとかじゃない。
そして誰が良いとかでもない。
物語や登場人物に対して、どう感じればいいのかわからなくなっていました。

【3部】
わからなさが極致に達し、わかろうとする姿勢をやめ、ただ受け入れました。



我らがキャプテンは、3部について、こう言いました。

「全く理解できない行動を突きつけられて、わかった気になるなって言われた気がする」

「巧の行動って、一面を知っただけで良し悪しを勝手に判断する思考回路をぶっ壊す感じだったよな、理解できる事ばっかりじゃねえぞ的な」

わたしが感じた事を、本当にそのまま言葉にしてくれたキャプテンに感謝です。
LINEの内容を載せておくので、よかったら読んでみてください。


遠慮する白くま


わくわく



高橋と渋谷


胆力!


まじありがとうね


スタンプかわいいな!


真面目は楽しいね



おわり


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