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20年のバトン


 前回の記事で、過去の物書きを目指していた自分について、赤裸々に語ったけれど、その後、悪戦苦闘しながらついにKindleにて出版することができた。タイトルは「桜町2021」。ベタなタイトルだけど、旧版の桜町を書いた自分をリスペクトする意味でも、即決だった。

 収録作品は、桜町と同じく、「桜町」「兵庫県南部晴れ時々天使」「トマト」の3作。桜町以外の2作については、ほぼ書き直しに近い状態。20年の思いが混ざった分、良い意味で化けてくれたと思う。そして、表題作の桜町、実は今回一番苦しんだ。正直、初めて書いた作品だったこともあり、他の2作に比べるといろんな意味で粗い。当初、別の作品と差し替えるということも考えたけれど、表題作であること、また、過去の自分の想いをカタチにしたかったので、文章の修正等のみで収めることにした。

 今回の作品のテーマは、「不滅の愛」。作品の中身は大きく変化したけれど、先のテーマは、今回の作品集のほうが、より鮮明に表現できたと思う。また、各作品には、娘と一緒にPCで作成したデジタルイラストをタイトル裏に挿入した。是非、作品と一緒に楽しんでいただけると嬉しい。

 そして、今回大活躍してくれたのが、意外にも旧iPod。

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 このiPodは、昔、物書きを目指していた頃に、いつも愛用していた。バッテリーも劣化し、今ではコンセント充電しながらでないと使えない状態。ペアで使っていたMacも今は、電源起動すらしない。だから、iTuneにつなぐこともできず、プレイリストは当時のまま。でも、これでいいのだ。今回の「桜町2021」は、このiPodをスピーカーにつないで、当時のプレイリストを流しながら書くことで、当時の『書く』パワーが蘇った。

 それにしても、今回実際にkindleで本を出版してみて、時代の変化に驚愕した。当時はなんだかんだで1年近くかかった本の出版が、2週間ほどで完結したことに、ただただ驚いている。僕は究極のめんどくさがり屋なので、説明書を読んだりするのが大の苦手だ。だから、kindleで本を再出版すると決めた時に、原稿の用意の仕方、入稿の仕方、出版までの流れなどをググったりしたけれど、そのあまりにも膨大な情報量に、3分で気持ちがシャットダウンしてしまった(汗)。だから、最低限、入稿のファイル形式、抑えておかないといけない決まり事のみインプットして、あとは勢いで出版まで突っ走った。今となって思えば、これで正解だったと思う。KDP(kindle direct publishing)には、精度の高いシミュレーターが用意されていて、自分の手元の原稿をアップデートすると、その場で実際の商品の状態を再現してくれた。それを見ながら、(あっ、こう書くと、こんな風に反映されるのね!)と感心しながら、楽しんで作品を作ることができた。また、サポートもメール対応のみとなるものの、レスポンスも早く、適格かつ親切にサポートしてくださるので、安心して作業を進めることができた。20年の時を経て、再び夢に向かって歩き始めることができたのも、KDPのお陰。本当にただただ感謝!!

 「桜町2021」は、僕にとってエンジンを始動するための起爆剤のようなもの。お陰で、20年間眠っていたエンジンも無事かかり、これからが本当の勝負。20年前の自分には叶わないと思っていたけれど、若さと引き換えに波乱万丈な人生を経験しパワーアップしていたことに気づくことができた。20年前の自分のバトンをしっかりと受け取った今、人生のゴールまで何メートル、いや何kmあるのかわからないけれど、突っ走るのみ。20年前の自分、20年間僕にかかわってくれた人、もの、すべてに感謝!!

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