IT×◯◯で、なんでも近代化する
自分の職業を初対面、ないし、私の仕事を知らない人に説明する時、私はよく「IT系の企業に勤めています。」と言う。概ねそこから会話が広がることはあまりないのだが、稀に詳細を教えてほしいというリクエストをもらう。そんな時には「ああ、IT×音楽みたいなやつです。」と答えている。
そこでふと思うのだ、枕詞にIT×をつければそれっぽいサービスはありそうだし、なんとなく最先端っぽい気がする、と。
そうなると、全然最先端じゃない何かとITをくっつければなんでもかんでも近代化すんのかな?という非常にくだらないことを考えてしまうのです。
IT×さおだけや
ずいぶん前にさおだけやはなぜ潰れないのか?という本が流行った気がする。読んでいないので内容は推し量るばかりであるが、たぶんIT×さおだけやというのは、あの独特な宣伝歌をSpotifyとかで配信するんだろう。そのうちyoutuberとかがミックスしたりして、突然さおだけに林檎とかパイナップルを刺して、それに世界が熱狂するのかもしれない。
よくわからないけど。
IT×回覧板
定規で丁寧に罫線を引いたルーズリーフが貼ってあるバインダーに、10戸ほどの家主の名前がズラッと手書きで書かれ、用があってもなくても定期的に回ってくる。
そして読んだらマルをつけて次の家にまわすシステムだ。
これにIT×がくっつくとどうなるか。
まず名簿はエクセルを使うだろう。ドキュメントはDropboxに保管され必要な情報が整理されている。たまに町内会主催の地域運動会の出欠確認がGoogleフォームで飛んでくる。そして、町内会費はGMOペイメントで決済されるのかもしれない。
だがIT×回覧板は、提案した途端に猛烈な反発を市民から食らうにちがいない。
近隣住民の安否が確認できないとか、個人情報が漏れるとか。きっと想像を絶する猛反発に町内会は疲弊し導入を断念する。
IT×回覧板の未来は前途多難だ。
IT×草むしり
雑草というのはいつも厄介だ。青々とした芝生を夢見て敷き詰めた芝、蒔いた栄養剤、陽当たりのいい場所。その全てを奪うかのように無断で生えまくるのが雑草だ。だから私はいつも土曜日になると草をむしる。
これがITとくっついたらどうなるか。
草むしりアプリとかがあれば良い。季節の移ろいや、天候などを交えて「カタバミは黄色い花をまずむしりましょう」とか教えてほしい。あるいはAR技術あたりと連動して、カメラで芝生の写真を撮ると効果的な除草剤を提案してくれるなら尚良い。そしてAmazonか楽天で半強制的に薬剤を買うサイクルに嵌り、かなりの額を費やしてしまうことだろう。
たまに除草剤の広告を挟まれ、奇妙奇天烈なネーミングの除草剤を面白半分で買ってしまうようになるかもしれない。
黙って今までどおり草をむしるのが正解なんだろうとは思っている。
おしまい。