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素人と読む旧約聖書⑤塔を造りにバビロンへ

 素人と読む旧約聖書シリーズは、筆者が、作家であり絵画など美術作品に詳しい中野京子大先生の本を読んで、歴史や美術に関心を持ち、その中でも特に興味を抱いた「聖書」の分野を、皆さんにも理解してほしいという思いから始まりました。ちなみに、筆者は万物において素人なので、どうか温かい目で記事をご覧願います。
 参考にさせていただいた中野先生の著作はこちらになります。是非、購入を検討いただけたら私も嬉しいです。
 Amazonリンク:中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇
         著:中野京子・文藝春秋社

1.計画

 前回までのおさらい。堕落した人間に怒りを露わにした神はノア達を除き、この世から消そうと企む。そして、ノア達に「ノアの方舟」を造らせ、避難させた後、この世の人間を抹消させた。そして、現世に戻ったノア達は、生活を続けることとなる。ここまでで、『創世記』の第9章までが終了した。第10章では、ノアの子孫についてが書かれている。
 さて、ノアの曾孫の代になると、人間たちは「シナル」という土地に平野を見つけ、そこに定住するようになる。人間たちは、シナルの地に天まで届くような高い高い塔を、レンガを使って建設することにより、大いに名をあげようと計画した。しかし、そんな大きな塔を建てることに憤りを感じている者がいた。

 ちなみに、「シナル」の地は古代メソポタミア文明のバビロニア辺りだろうと考えられている。バベルの塔は、そこにある ジッグラトという建造物のことではないかと言われている。是非ウィキを参照してほしい。

2.バベルの塔

神は激怒した。必ず、かの邪智暴虐の人間たちを除かなければならぬと決意した。神には人間の心がわからぬ。神は、神である。

 神は、おそらくメロスのように塔の建築に対し、激怒したのだった。
 しかし、ノアの時のように全員を抹消することはしないと誓っていた。困った神は人類が1つの民族しかなく、1つの言語しかないので、人間の腐敗が起こるのだと考えた。そこで、神は言語を乱し、人々が互いにコミュニケーションをとることができないようにした。
 人々は、言語が通じないことによりバラバラとなり、必然と塔は完成することはなかった。それどころか、大きな混乱と無秩序が訪れることになる。おやおや、これでよかったのかい??

 さて、なぜ神はバベルの塔の建設に、こんなにも激怒したのだろうか。この理由については、冒頭で紹介した中野先生の本で詳しく解説されているのでそちらを読んでほしい。ここでは、人間が高い塔を造ることによって、神に近づくのはあまりにも愚かなことであると神は感じ、怒ったのであったと解釈しておこう。

『バベルの塔』ブリューゲル作

3.ハノイの塔

 塔と聞いて、筆者が思い出したのは「ハノイの塔」である。数学の問題でも使われることのある塔である。サムネイル画像にも使わせてもらったが、そのルーツは1883年に発売されたボードゲームとなっている。ここでは、説明が難しいので、是非、Wikipediaを参照してほしい。

 バベルの塔のお話が『創世記』の第11章で、次回は、12章からとなる。お楽しみに。

 ちなみに、今回のタイトルは『バッタを倒しにアフリカへ』という本から拝借させてもらった。


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