虐待なんて言葉が広辞苑から消えた日にきっと会いましょう
祖父のことが嫌いだった。いや、現在進行形で嫌いだ。祖父は人の傷つくことを平気で言う人間だった。ボケてしまって丸くなり、日がな一日ぼんやりとテレビを眺める無害な人になった今も別に好きではない。お葬式で泣かないと思う。
わたしは数年前に大学を退学した。うつ病が治る気配がなく、このまま大学という名の希望、つまり絶望を抱えたまま鬱の相手をするのは少々無理そうだと判断したからだ。でも出来ることならやめたくなかった。当たり前だ。高校時代、わたしは結構勉強を頑張ってきた。学年1位を何度もと