見出し画像

2019/11/23 高野寛ライブ@三楽屋(名古屋)

高野寛アルバム発売記念ツアー「City Folklore」season 1 @三楽座(名古屋)

先週から始まったレコ発ツアー2週目3デイズの中日。会場の三楽座は、名古屋駅の近くに1988年から続く本格的な芝居小屋。鏡板ではないものの老松を備えた本舞台に100畳敷の客席が広がり、三方に桟敷席もある。一度訪ねたいと思っていた。

先週の曲目から入替えがあり、かなり久々にライブで聴けた曲がある。そうきたか!と嬉しくなる。

「曲がったことが大好き」と冗談交じりに高野さんは話す。だから「まっすぐなcity popにはならず、手作り感の残る民芸的なfolkloreになった」のだと。

高野さんの音楽の魅力の一つは「うらはらさ」だと思う。初期の頃からキラキラしたメロディラインに、その対極のやるせない悲しみや苛立ち、切なさが交じるから、ただ明るく爽やかなだけの音楽にならない。そのうらはらさは今日の「曲がったことが大好き」に拠るのだろう。

画像1

そして、今回それを象徴するのが、あのレスポールだ。エレキギターのきらめきとアコースティックギターの情感が溶け合って、ほれぼれするような音楽を奏でてくれる。MacBook Proが生み出す背景がさらに奥行きを与える。

「もう、いいかい」は京都精華大学で教員生活を送った5年間で学生たちと過ごして感じたことに自身の学生時代も重ねているという。自作のアニメーションMVのことも含め、長くこの曲への思い入れを高野さんは話した。昼間、わたし自身が懐かしい教え子たちに会ったことと重ねてしまい、「もう、いいかい」が今まで以上に胸に迫る。今日の演奏は特によかった。

続けてきたからこそ、見えるものやできることがある。それを音楽の形にして、惜しむことなく聴かせてくれる。高野寛の音楽を好きでいて、本当によかった。

投げ銭用のかごのつもりでサポートエリアを開けております。よろしければお願いいたします。いただいたサポートは本の購入に充てようと思います。(あ、でもプリンを食べてしまうかも。)