感度 vs 精度
トロント大学図書館のサイトの解説を拝見して納得したのでこちらに自分用に翻訳してメモ
[参照]Precision vs. Sensitivity. Univ. of Toronto Libraries. https://guides.library.utoronto.ca/c.php?g=577919&p=4304403
効果的な検索のポイント
文献を検索する際、自分自身に問いかけることが重要です。:あなたは文献を精度を優先した検索したいのか、それとも感度を優先した検索したいのか?
このガイドでは、どのように精度を優先した検索をするか、あるいは包括的な検索を展開するかに焦点を当てています。
高感度と高精度を同時に実現することは不可能です。
(トロント大さんサイトには図があります。原典をご参照ください)
感度と精度は以下のように求められます。
感度:検索で取得された関連文献 / (そのリソース内に)索引されている関連文献の総数=検索で取得された関連文献+検索では未取得だった関連文献
精度:検索で取得された関連文献 / 検索で取得された文献の総数=検索で取得された関連文献+検索で取得された未関連文献
あなたの検索では感度と精度のどちらを優先しますか?
検索にはロジックがあります:
感度が上がると精度は下がります。したがって、
高感度な検索では、関連性のない結果が大量に返されることになります。そのため、
検索結果がほぼすべて関連文献という場合、見逃しているものが多いです
感度と精度の適切なバランスを見つけるのが、検索担当者としてのあなたの仕事です。
このバランスはあなたの疑問(の内容)または目的によって決まります。
表を参考にしてどのような検索戦略を開発する必要があるか確認しましょう。
適切なバランスを見つける
実行したい検索の種類を特定したら、適切なバランスが見つかるまで、検索結果をいずれかの方向に調整する方法を検討します。
感度を高めるためのヒント:
質問や目的を絞り込む
検索からコンセプトを削除する
CANCER and CHEMOTHERAPY and NAUSEAの代わりに CHEMOTHERAPY and NAUSEA を検索
質問内の各概念の同義語をさらにORで掛け合わせて追加し検索 (外れ値を見つけます)
CHEMOTHERAPY and NAUSEAの代わりに 、(chemotherapy OR alemtuzumab OR cisplatin OR Hexalen ) AND (nausea OR vomiting OR emesis)を検索
1 つ以上のデータベースを検索する
精度を高めるためのヒント:
質問や目的を絞り込む
検索にコンセプトをANDで掛け合わせて追加するか、2つのコンセプトを1つに組み合わせ(フレーズで検索し)ます
TYLENOL and FEVERの代わりに 、TYLENOL and FEVER and RANDOMIZEDを検索
CHEMOTHERAPY and NAUSEAの代わりに"CHEMOTHERAPY INDUCED NAUSEA AND VOMITING"と 検索
検索語を論文タイトル、論文タイトル/抄録、または著者提供のキーワードに制限する
データベースの機能を使用して、あなたの(検索したい)コンセプトが記事の主要主題であるものだけに制限する(例:MEDLINEでいうMajor MeSH)
検索フィルター、日付制限、clinical queriesを使用して検索結果を絞り込む
さまざまな並べ替えオプションを使用して、より関連性の高い記事や引用数の多い記事を結果の上位に表示します(一部のデータベースで利用可能)
データベースの代わりに、Dynamed PlusやLexiCompなどのような内容を吟味してピックアップされた情報リソースを検索する
再現率・感度と精度については以下の図もわかりやすいので補足
SRLibProblemsさんの投稿より知りました
[References]
Precision vs. Sensitivity. Univ. of Toronto Libraries. Available from:https://guides.library.utoronto.ca/c.php?g=577919&p=4304403
High precision but variable recall – comparing the performance of five deduplication tools. J Eur Assoc Health Info Libr [Internet]. 2024 Mar. 17 [cited 2024 Nov. 1];20(1):12-7. Available from: https://ojs.eahil.eu/JEAHIL/article/view/607
その他参考になる資料として以下があります
阿部 信一. Q & A.医学図書館. 51 (4), 387-388, 2004.