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値決めは経営

先週の土曜日、主催するセミナーで
テーマにしたのが「価格と価値」
俗に言うマーケティングの「4P」の
二つ目、「Price」に関して解説する
回だった。

毎回、価格の話をする際に引用するのが、
タイトルにある

「値決めは経営」

という言葉である。
言わずと知れた、京セラの創業者である
稲盛和夫氏によるものだ。

マーケティングは経営の根幹。
そのマーケティングの戦術、打ち手を
網羅するフレームワークが「4P」で
あり、そのうちの1つが「Price」と
いう位置付け。

もちろん値決め=「Price」を決めることが
重要であることは疑いないが、
経営そのものだとまで言ってしまうと
さすがに大げさすぎるだろう、
というのが私の見方。

当の稲盛さんが、どういうニュアンスで
おっしゃっているのか、昔であれば
「盛和塾」という稲盛さんの経営哲学を
学ぶ勉強会か、京セラグループに勤めて
でもない限り、なかなか学べなかったと
聞く。
しかし、今では著書も充実している。
中でも、「門外不出」と言われていた
こちらがお手軽に買えるようになった
ことを参加者の一人が教えてくださった
ので、即ポチリ。

「値決めは経営である」とのタイトルで
始まる章を早速読んでみると、

経営の死命を制するのは値決め

冒頭から「死命」などと物騒な言葉で
始まり、「値決めファースト」感が
ビシビシ伝わってくる。

稲盛さんが考える、値決めの要点は、

自分の製品の価値を正確に認識した上で、量と利幅との積が極大値になる一点を求めること

とある。

そして、この点をより分かりやすく、

お客様が喜んで買ってくれる最高の値段を決めるということ

だと解説している。

これより高いと競合に持っていかれる。
これより安いと利幅が十分得られない。
その絶妙な中間地点、一点を求めて、
心血を注いで交渉し、値決めを行うべし。

確かに、値決めをしなければ、最終的に
売上も利益も上がりようがない。
その意味で、「Price」というのは、
4Pの中で唯一収益を生む要素である旨、
かの「近代マーケティングの父」とも
「神様」とも呼ばれるコトラー教授も
指摘している。

しかしながら、値決めの際には、
自分たちの商品の「価値」を正確に
把握する必要がある。
その意味で、「Product」の要素も
考慮することとなる。
また、どこで売るかによっても、
値決めは影響を受けるので、
「Place」の要素も必要だ。

といった具合に、あらゆることを考慮に
入れて、価値に見合った適切な価格を
決めることになる。

即ち、稲盛さんが言いたかったことは、

利益額が最大になるような値付けを、商品の価値に影響を与える様々な要素を真剣に熟慮した上で導き出せ

ということであり、

「値決めは経営」というのは、

「経営そのものと言っていい程に重要」
「経営そのものと同じくらい難しい」

という意味であると理解した。

『京セラフィロソフィ』は、
まださわりしか読んでいないが、
相当読み応えのある、味わいの
深そうな本である。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。