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消費者も気候変動を気にかける

「脱炭素」というのがキーワードと
なって久しい。
京都議定書が1997年だから、もう25年、
四半世紀経っている。
その後、近年誰もが知るところとなった
SDG'sの浸透で、消費の現場にも徐々に
影響を与えるに至っている。

世界的な市場調査会社、ユーロモニター社
毎年『世界の消費者トレンドTop10』
発表している。

2022年版が最近発行され、興味深くページを
繰っていたところ、

気候変動に敏感な消費者

というのが2番目に挙がっていた。

カーボンニュートラルな製品であることを
明確に打ち出したり、
リサイクル地産地消といったことに
熱心に取り組んだりすることで、
自社の倫理的な態度を貫く必要性が
高まっているということのようだ。

ここ数日のエントリーで触れている、
いわゆる「Z世代」(10代~25歳位)
消費者は、この手の「エシカル消費」を
本格的に信奉している人が多い
という
分析もある。
今後そのトレンドが世界中で益々
一般化されていく見通しとなろう。

この、カーボンニュートラルに関わる
一連の話、実は個人的には胡散臭さを
感じざるを得ない。
ルールを作るのが上手な西欧の側が、
自分たちに有利なルールとして、
「脱炭素」「低炭素」ということを
言い出し、世界的に推進する枠組みを
徐々に築き上げていった感がある。

削減目標自体、かなり恣意的に設定が
可能ということで、当初から様々な
批判があったことも事実だ。

確かに、排出量の削減も非常に大切かも
しれないが、むしろ砂漠化をせき止めて
緑化を推進した方が理に適っているはず。
CO2は、森林にとっては「食料」の
ようなものである。
森林の減少がとてつもない速度で進む
のをせき止めずに、排出する炭素量を
減らすことだけでカーボンニュートラル
を達成することは無理である。

しかし、いまだに途上国では人口が増え
続け、生きるためには焼き畑農業など
緑を犠牲にせざるを得ない国、地域が
現存する。
「地球が危ない!」とはいえ、途上国の
人びとに「生むな、増やすな!」とは
強制できないだろう。

この話は、いつも自分の中で堂々巡り
なってしまい、結論が出ない。
ただ、世の中のトレンドとして、
自分たちの消費が世界の気候変動に
対してもインパクトを与えうるのだ、
という消費者の気付きが進むことは、
喜ばしい
ことだと考える。

自分たちの製品・サービスの販売に
おいて、取ってつけたように
「脱炭素」をうたったところで、
昨今の消費者、殊に「Z世代」は
厳しい眼を持っている。
取り組むなら本格的にやる。
そういう姿勢、コミットメント
強く求められるであろう。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。