ランニングアプリ市場における顧客争奪戦の一コマ
本日、びわ湖毎日マラソンで、
男子マラソンの日本新記録が出た。
あの大迫選手の記録を抜き、
一気に2時間5分を切る好記録。
長らく低迷していた男子マラソンの
記録が、ここ数年で急に何度も
更新されるようになっている。
大迫選手と設楽選手の激しい
争いは記憶に新しいところ。
ここに来てまた、新たなスターが
誕生した格好で、
とても素晴らしいことだ。
昨年11月には、61歳の女性が、
いわゆる「サブスリー」、
3時間を切る記録を出して、
年齢別の世界記録であるとの
情報にも最近接した。
ランニング人口が増え、
ランナーのすそ野が広がったことで、
こういった情報にも今まで以上に
価値を感じる人が増えているの
かもしれない。
関わりある人の人数が増えたことで、
その「市場」をめがけて、
新たな参入者があちらこちらに
生まれる。
その一つに、ランニングアプリの
市場がある。
私が使っている iPhone のアプリ
検索で見る限り、以下のような
順位で人気があるようだ。
1位:Nike Run Club 12万ダウンロード
2位:adidas Running 4.6万ダウンロード
3位:Runkeeper(asics) 3.1万ダウンロード
4位:TATTA(RUNNET) 1.7万ダウンロード
見て分かる通り、
上位はみなスポーツメーカーが
提供するアプリ。
私自身は、1位に挙がっている
Nikeのアプリを、かれこれ4年以上
使っている。
こういった個人データを蓄積する
類のサービスは、非常に浮気し
づらい。
使い始めて間もなければまだしも、
長年使えば使う程、離れにくく
なる
からだ。
特に、慣れることによる安心感を
常に感じることができるのと、
蓄積したデータによって、今の
状態を常に過去と比較できるのが
大変便利である。
そんな私に、新しくアプリを
インストールさせた企画が、
こちらである。
asicsのアプリであるRunkeeperを
使うことが条件となっている、
バーチャルマラソン企画だ。
「RunKeeper を今更インストール
しなきゃいけないなんて、
面倒だからパス!」
当然最初はそう思ったのだが、
東京マラソン2021の出走権が当たる
(かもしれない*)という、
非常に魅力的な「エサ」につられた
のが大きな理由。
*抽選で計1,000名に当たるとのこと
リアルの大会が軒並み中止となる
中で、何か魅力的な大会ないかなぁ
と探していたことも重なり、
インストールの手間ひまという
障害を越えたのだった。
製品・サービスを提供する側としては、
「まず知ってもらう」
という最初のハードルをクリアしても、
商品を試してもらうところでまた
ハードルがある。
「まず試してみる」
「まず使ってもらう」
ためには、今回の例のように
ターゲット顧客に刺さるメリットを
きっちりと提供しなければならない。
ここで試してもらった際に、
これまでお客様が使ってきた
競合品・競合サービスに比べて、
何がどう具体的によいのかを
実感させることができれば、
顧客争奪戦に成功したこととなる。
そのメリットの納得度が低ければ、
元々使っていたものに戻ってしまう
だろうことは見えている。
asics のこの策が、ユーザー増加に
どこまで寄与するのか、
興味深く見守りたい。