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Effectuationという言葉との再会

田原真人さん『出現する参加型社会』
出版され、その内容を語り合う読書会
イベントが毎日のように開かれている。
できるだけ参加したいところだが、
本業とかぶったり、副業とかぶったりで
なかなか参加できずにいた。

今日の午前中、ようやくそのうちの一つに
参加がかない、濃密な2時間程を過ごすこと
ができた。
ご一緒した松井さんが、早速noteの記事に
まとめてくださっていて感激する。

前半、全体で20人程の参加者がまずチェックイン
して、それぞれ自己紹介から始まり、多種多様な
顔ぶれに目を丸くしながら見入った。
歌手、温泉ソムリエ、ウクレレ漫談セラピスト、
フリーアナウンサー、ファッションコンサルタント、
エンジニア、アーティスト、塾の先生、、、
全てを書ききれていないが、一体何をどうすると
こういう顔ぶれになるのか、誠に不思議だ。

一通りチェックインした後に、田原さんへの
「いきなり剛速球」な質問が飛び、彼がかつて
「本物のファシリテーター」を目指すに至った
原点についての思い出から、この本を書くに至る
までの「よろめき歩き」の足跡
を語ってくれた。
著者の肉声を聴くことで、本に書いてあった
ことがより臨場感をもって胸に迫る感覚。

その後、グループを3つに分けての
ブレイクアウトセッション。
有り難くも冒頭に発言を振っていただいた
ことで、来週自分が主催する対話会の
きっかけ的な話、背景的な話を、
その場にいた皆さんにさせてもらった。

ブレイクアウトにおける議論の内容は、
松井さんの記事にあるので省かせていただく
こととして、そこで彼の口から出て来た
「Effectuation」(エフェクチュエーション)
という単語に、何かピンとくるものを感じ、

すぐにググった。

「Effect」=結果 はメジャーな単語だが、
「Effectuate」=発効させる はあまり聞かない。
「Effectuation」はその名詞形なので、法律など
の実施(発効)や、達成などの訳が充てられる。
ただ、昨今のビジネス系の文脈で語られる
「Effectuation」は、バージニア大学MBAで
教鞭をとるサラス・サラスバシー教授が説いた
概念で、成功する起業家に共通する5つの原則
指すことが多い。

⓵Bird in hand:手中の鳥=手持ちの手段で何とかする
Affordable loss:許容可能な損失=失敗OKの上限を予め決めておく
⓷Crazy-quilt:クレイジーキルト=敵味方なく周囲を巻き込みまくる
⓸Lemonade:酸っぱいレモンはレモネードに=失敗も活用してしまう
⓹Pilot-in-the-plane:飛行機の中のパイロット=臨機応変に舵取りする

これを眺めていて、レヴィ・ストロースの
「ブリコラージュ」(器用仕事)の概念
思い出す。
もう10年近く前になるが、当時働いていた
化粧品会社で、「ブリコラージュ」が
注目を集めているという記事を読んだのを
きっかけに、社長が熱く語ってくれたのが、
この難しい言葉を知ったきっかけだ。

要は、何もかもが揃っていて、お膳立てが
なされた状態で経営することなどありえず、
常にリソースは不足する。そんな中で、
手持ちの材料、リソースで、
どうやって何ごとかを成し遂げるか、
創意工夫が大切
だよね、そんな文脈での
話だったと記憶している。

ふと、「起業」というキーワードから更に
記憶の連想が働いて、過去のエントリーを
探してみた。
そして、ズバリ「Effectuation」という言葉を
既にこのnoteでも書いていたことを発見。

バブソン大学で起業を教えている山川教授の
本を読んで書いたエントリーだが、
この中で、「Effectuation」とは

今あるものでとにかく何か始めて、そこに新しい資源を加えることで最適化、変化、進化させる。

このように、本の内容を要約する形で紹介
していたのだった。

いやぁ、これは松井さんと是非つながって、
お礼も言いたいなと思い、早速Facebookで
お友だちになっていただいたところ、
見事なEffectuationの論考をお書きに
なっているのを紹介していただく。

興味・関心を持って調べ始めたら、
次から次へと情報が連鎖
していき、
軽い興奮を感じる今日。
ついつい本文が長くなってしまった。
「Effectuation」の話はまだ奥が深そう
なので、更に深く掘り下げて、学び
取っていこうと思う。

そして、「Effectuation」以外に
得られた興味深いネタたち、
「にゅるっと脱皮」
「バタフライ効果を起こすマイノリティ」
「地場産業のマーケティング」
などを頭の中に放り込んで、しばらく
寝かせてみることにしたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。