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フードロス削減×通販

夕方、一定時刻を過ぎると、
スーパーの生鮮食品売り場では
一斉に値引きシールを貼り始める。
その日のうちに売り切りたいが
ために、
「10%引き」
「20%引き」
から始まって、時間の経過とともに
「半額!」
などと言う気前の良いものも
現れる。

その日のうちに、新鮮な状態で食べる
必要のあるものの代表格としては、
やはりお刺身や、お寿司だろう。
それ以外にも、お弁当お惣菜系は
やはり調理して時間が経てば経つほど
味が落ちることもあり、売り切りたい
筆頭となる。

店頭で焼き上げるタイプのパン屋を
スーパー内に併設している場合も
多く、そこで売られているパン
値引きの対象となることが多い。

スーパーだと、他の買い物ついでに
店内を回遊しているお客様が、
「値引きしているならば買おうかな」
などと立ち寄って購入する可能性が
そこそこ高そうだ。

これに比べ、独立系のパン屋さん
では、どうしても廃棄ロスが多く
出るリスクが高い
ということは、
想像に難くないところ。

このような独立系パン屋さんにおいて、
これまでは廃棄処理に回さざるを
得なかった余りのパンたちを、
フードロスで終わらせずに、
何とか有効活用できないか。

そんな社会課題を解決するために
起業したのが、合同会社クアッガ
斉藤優也氏。

この会社が展開しているのが、
「リベイク」というサイト。

廃棄ロスになりそうなパンを、
通販でお取り寄せできる
という
興味深いビジネスモデルだ。

ロスになりそうなもの、つまりは
消費期限が間近に迫っているもの
である。
それを通販で、となると、消費期限の
問題はどう解決しているのか、
どうやってお客様の手元に届けるかが
気になるところ。

これは、意外と単純な解決策が用意されて
いて、リベイクが加盟店に配布している
冷凍にも耐えられる袋に、廃棄ロスに
なりそうなパンを詰め込んで、加盟店から
原則冷凍便で発送するとのこと。

しかも、受け取り手は配送日を選べない。
加盟店でフードロスになりそうなパンが
出たタイミングで初めて、冷凍して手配
するという作業へと移るのだ。

消費者側にとっては、少々不便なモデル
である。
食べたいときに食べられるわけではない。
コンビニに行けば、食べたいときに何でも
揃う時代に、あえて逆行している趣きだと
言えなくもない。

それでも、人気のあるパン屋さんの
パンを、冷凍とはいえ格安で入手できる

点と、フードロス削減という「大義」
とがあいまって、人気を博している様子。
パン屋さん毎に注文可能なのだが、
人気のある店は10人以上の「待ち」が
発生しているのである。

何でも揃う、便利な世の中。
だからこそ、なのだろう。
無味乾燥な「消費」ではなく、
社会課題を解決するという「意味」を
消費の中に見出す
顧客が出てきた、
そんな指摘がよくなされるようになった。

今、自分が提供している商品が、
何らかの社会課題を解決できるような
新たな機能を備えたら、
従来の顧客とは異なる層を、
新たに開拓できるかもしれない。
そんな妄想を、「リベイク」の例から
想起したのだった。


己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。