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フリーサンプリングとペイドサンプリング

「是非お試しください!」
ということで、無料のサンプルを
もらうというのは、比較的日常的に
身の回りで起こっている人が多い
ものと思う。
化粧品のミニサイズだったり、
食品の味見だったり、
シャンプーの使い切りサイズや、
栄養補給食品の1回分、
様々なサンプルが世の中には
あふれている。

このサンプリングには、無料のもの
と有料のものがある。
通常は、無料のものを思い浮かべる
人が多いだろう。
DMで送られて来たり、店頭で配布
していたりすることが多い。
ホテルのアメニティなども無料の
サンプリングに入る。

有料サンプリング、別名ペイド
サンプリング(Paid=支払われている
という意味)というのは、最初だけ
特別にお安くしておきますよ!
という類の企画のこと。

私が働いてる化粧品業界ではよく
ある話なので、分かりやすくする
ために化粧品の事例で説明しよう。
仮に、通常2ヶ月使えるクリームが
5,000円の価格だとする。
お試し用として、1ヶ月使えるミニ
サイズを、通常価格を単純に計算
すれば2,500円の値付けをするべき
ところを、500円で販売しますよ!
というような企画のことを指して
有料サンプリングと呼ぶのだ。

ビジネスの状況に応じて、有料と
無料、どちらのサンプリングがより
効果的かは異なってくる。
しかし、一般論として、資金が
有り余っているなら無料で大量に
ばらまくのがよいだろう。
しかし、そんな会社はなかなか
あるものではない。
資金的に厳しい中でとにかく商品を
試してほしいのであれば、有料で
やるのがよい。

有料サンプリングは、実はとても
メリットが大きい。
そもそもお金を払ってまでその
商品を試したい!と思ってくれて
いるということは、見込客として
大変有望な方である。
そんな見込客との接点を持つこと
ができるというのが一つ目の大きな
メリット。

無料でやる場合に比べて、当然
規模は小さくなる。
ただモノをあげるだけでは後に
つながらないので、商品説明の
パンフレットを作ってみたり、
送るための梱包費用から送料に
至るまで、それなりにコストが
かかってくるのは当然。
そんな状況において、有料の場合は
当然件数が減ることとなるので、
ムダな費用を抑えられるというのが
二つ目のメリット。

更に、一つ目とも関わる話だが、
一度お金を払って取引を交わした
時点で最も大きな心理的ハードル
を超えているため、二回、三回目
のハードルが最初のそれに比べて
極端に低くなるというメリットが
あるのだ。
「二度あることは三度ある」
とはよく言ったもので、高い頻度
で接触したという事実だけで、
無意識のうちに心理的な抵抗感、
ハードルが下がるものなのである。

というわけで、ペイドサンプリング
は「使えば分かる」と言える位に
商品の品質に自信があるものに関し
ては、大変有効性の高い施策だ。

裏にある心理的なからくりについて
興味のある人は、是非チャルディーニ
の本を一読するのがお勧めだ。

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己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。