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日本の食料自給率を上げるアイデア

日本の食料自給率が危機的な状況だ。
何と、たったの37%
国際標準とは言えないカロリーベースなので、
真に受けるべきではないという批判もある。
ただ、いずれにしても海外からの輸入なしに
日本人の食卓が成立しない
ことは、
もはや疑いがない。

日経の8月1日の記事が今さらながら
目に入ってきたので読んでみた。
全国農業協同組合中央会会長の
中家徹氏が、読者に向かって、
この37%の自給率をどう高めるか
アイデアを募っている。

8月12日正午が締め切りだったようで、
29日に優秀なアイデアが紹介される
予定だとのこと。

これまでに、たまたま読んだことのある
本や雑誌記事、メルマガなどから、
いくつか思い出せるアイデアがある。

まず、コメの減反政策をすぐにでも
止める
ことが大きな課題だろう。
壮大なムダを発生させていることは
明らかだ。
但し、需要喚起策とセットにしてやる
必要がある。

コメの需要喚起としては、
日本全国で完全米飯給食の実施
するというアイデアを、
国際関係アナリストの北野幸伯さんが
随分前から提唱している。

アメリカの小麦を販売する先として
日本市場が戦後「解放」「開発」され、
給食のパンをはじめ、小麦粉の消費は
増える一方。
代わりにコメを食べる食生活が少しずつ
衰退してしまっている実情。

小麦が悪でコメが善、などと言うつもりは
ないが、日本人が数千年単位で生産・消費
してきたコメを、ここまで急速に捨て去る
という変化は、百害あって一利なし
だと
思わざるを得ない。

小麦粉ではなく米粉を使用したパンも
かなり増えてきた。
減反を止めてもっと価格の自由度が
上がれば、更に使用度合いを上げていく
ことも可能ではなかろうか。

他のアイデアとしては、
食品廃棄を減らす取り組みをもっと
活性化させることが挙げられる。

自給率の分母には、食べられずに廃棄
された食料も含まれる。
これが廃棄されずに消費されれば、
分子にも足されることになって、
自給率は当然上がる。

廃棄を減らす取り組みとして、
ITをうまく活用したサービスが
最近出て来ている。
例えば、以前に紹介したことのある、
廃棄ロスになりそうなパンを冷凍し、
通販でお取り寄せ
可能にした
「rebake」というサービス。

また、期限間近、季節限定の商品、
パッケージ変更や少しの傷などといった
フードロスの危機にある商品を、
おトクに販売
している「Kuradashi」
というサイトも人気のようだ。

つい先月から、ロゴなどの装いを新たに
してリニューアルしたとのこと。

さて、冒頭の日経記事に戻ろう。
中家氏は、「国消国産」という考え方を
提唱、情報発信に努めているという。

私たちは日本の農業を活性化するため「国消国産(こくしょうこくさん)」という考え方を提唱しています。国内で消費する食料は、できるだけ国内で生産しようという呼びかけです。でもこのままでいけば、国内で消費するものを生産する能力が足りないということになりかねません。食料自給率を高めるのも難しくなります。

上記日経のリンク先記事から引用

残念ながら、今回初めて知った言葉だ。
周りでも聞いたことがなく、情報発信に
努めているというその努力がどの程度の
ものなのか、正直なところ全く不明で
ある。

ただ、一つ苦言を呈したいのは、
「地産地消」という人口に膾炙した
言葉があるのだから、
せめて「国産国消」とすべきでは
ないだろうか。

あえて言いづらい言葉を使わずとも、
「目指せ!自給率100%!」
のようなシンプルなスローガンで
良いのではないかとも考える。

100%が目標として遠すぎるのであれば、
まずは37%を50%にする、60%にする
でも構わない。
とにかく、「国消国産」では誰にも相手に
されないと危惧するのである。

とはいえ、日経紙面でアイデアを募集し、
広く消費者の意見を求める姿勢自体は
評価したい。
良いアイデアが集まり、
我々消費者の目線も上がって、
実際に自給率が向上していくよう、
私自身も微力ながら努めたい。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。