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老舗になれたのは革新を怠らなかったから

今日も『致知』7月号の記事を受けて
少しばかり書かせてもらいます。

ヤマサ醤油の会長濱口道雄氏
「私の座右銘」というコーナーで、
「存在価値」と題して寄稿されて
いました。

ヤマサと聞くと、「No.2」という
言葉が頭の中に去来します。
醬油メーカーとして圧倒的なNo.1は
キッコーマン
であり、
その後塵を拝するのがヤマサ

近所にあるディスカウントスーパーの
OKストアは、No.2メーカーと仲良く
することで大きなディスカウント幅を
引き出し、No.1メーカーへの交渉力を
底上げする戦略
をとることで有名です。
そして、醤油でも正にこの戦略を実践
しているのですね。
以前にそれをテーマに記事を書いた
こともありました。

No.2とはいえ、ヤマサは大変に長い
歴史を誇る老舗中の老舗

創業から380年もの歴史を刻んでいる
と言いますから、素晴らしい会社で
あることは疑いありません。

それだけ長い歴史を誇る老舗であれば、
左うちわで余裕の商売ができるかと
言えばさにあらず。

時代の移り変わりは早いですから、
少しでもモタモタしていたら、
あっという間に置いて行かれて
しまうのが厳しい現実だと言えます。

濱口氏は、日々の仕事を通じて、
醤油業界を取り巻く環境変化
いち早く感じ取り、醤油だけで勝負
していてはいずれ立ち行かなくなる

ことを見越していました。

そこで、醤油の売上が順調だった
にもかかわらず、社長直轄組織として
「食品開発委員会」を立ち上げ、
醤油から派生する新しいタイプの
商品を開発しては市場に投入して
いったそうです。

特に大きかったのが、
「そうめん専科」
「ひやむぎ専科」

という、薄めずそのままストレートで
めんつゆとして使える商品
たち。

これらがヒットしたおかげで、
それまで醤油以外の新商品を開発する
ことに懐疑的だった社員も、濱口氏の
話に耳を傾けるようになってくれた
とのこと。

こういった、老舗にとっては真新しい
チャレンジ
を堂々と推し進めていった
濱口氏の努力の甲斐もあってこそ、
ヤマサはその後も革新的なアイデア
実現し続け、消費者のニーズに適った
商品を世の中に提供し続けています。

具体例として挙がっていたのが、
1997年に発売した「昆布つゆ」
それまでは鰹節ベース主流で、
社内の「売れない」という大勢の
声に負けずに販売に踏み切ると、
幅広い料理に使えることがウケて
ロングセラー
となりました。

もう一つは、2009年に発売した
「鮮度の一滴」
二重構造容器の先駆けで、
常温保管でも鮮度を長期間保てる
という付加価値を武器に、半年で
100万本の大ヒット
となりました。

老舗だからと、昔からある定番商品
のみを後生大事に売り続けていては、
やがて行き詰まる
もの。

革新を忘れたら
老舗といえども生き残れない

老舗だからこそ、チャレンジ精神を
常に発揮して、今の市場において
常に「存在価値」を主張し続ける

そんな心意気を感じる寄稿でした。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。