どんな営業担当があてがわれるか
元営業で、今はマーケティングの職務に
携わっている元同僚と会話したときに、
「営業あるある」な話の一つとして
挙がった話である。
営業担当には、当然ながらベテランから
若手まで、様々な人間がいる。
そして、顧客にも、当然ながら取引額の
大きい重要な顧客から、ごく僅かな額の
取引しかない顧客まで、様々だ。
会社の合理的な判断として、どうしても
まだ営業のイロハをきっちりと分かって
いないような若手が、練習台よろしく
僅かな額の取引にとどまる顧客の担当と
してあてがわれることになる。
それならば、万一失敗したとしても
ダメージが少なくて済む。
金額的なダメージはもちろんのこと、
信用面でのダメージも、そこまで
大きく波及することはない。
ただ、顧客からしてみれば、いい迷惑
であることは間違いない。
相手からみた自分たちは「弱小」なの
かもしれないが、だからと言って
「練習台」にされることでマイナスを
被るのは御免である。
たとえ手を抜いていないにしても、
少なくともエース級を充てて来る
ことはほぼないわけだ。
それで悔しい思いをしたことが、
なきにしもあらず。
であれば、取引額を増やせばいいでは
ないか。
そう言われたら、ぐうの音も出ない。
全くもってその通り。
自分たちが発注する金額のレベルが、
他の会社の発注額レベルと比べて
低いのであれば、もっと身の丈に
合ったサイズの取引相手へと変更を
すればよいのだ。
そうすることで、相手にとって自分
たちがより「大切な顧客」や、
「取引額の大きな得意客」としての
地位を獲得するに至る。
となれば、営業担当も必然的に
その会社の中でよりデキる人間が
あてがわれることになるのだ。
私のようにマーケティングを担当
している人間は、広告代理店や
リサーチ会社とのお付き合いが
多い。
広告代理店にせよ、リサーチ会社に
せよ、大きいところから中小まで、
日本の会社から外資に至るまで、
それぞれにユニークな特徴を持った
様々な会社が存在している。
つい見栄を張ったり、あるいは
相手の過去の実績を見て一目惚れ的
な形で、自分たちには分不相応な
相手と取引を始めてしまうという
ことが往々にしてある。
そうすると、営業としてやって来る
のは、我々の会社を体よく使って
育てよう、そんな会社側の意図を
背負った若者なのだ。
そういう担当に当たってしまった
場合、「担当を変えろ!」と
怒鳴りまくることも可能だが、
それではほぼ間違いなく相手先との
関係性がギクシャクする。
かといって、相手先の営業担当を
「育てる」ために使われるのは、
自分たちのなけなしのリソース
(お金と時間)の使い方として
必ずしも上策とは言い難い。
結論としては、そもそも最初から、
分相応な取引相手を選んで取引する
ことを心がけることがよいのは
言うまでもない。
既に取引が始まってしまっている
場合は、相手の営業担当を「育てる」
ことで自分たちも「育つ」のだ、
そういうマインドセットに切り替える
ことがまずは大切なのだと考える。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。