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化粧品会社が売っているもの

化粧品というと、真っ先に思い浮かべるのは
何だろうか?
資生堂?
花王?
ポーラ?
CHANEL?
L’OREAL?
SK-II?
こういったメーカーやブランドの名前
思い浮かべる人が大半だろう。

しかし、中には「洗顔料」「化粧水」
「乳液」といったスキンケア商品や、
「口紅」「アイシャドウ」「マスカラ」
といったメイクアップ商品など、
商品の種類を思い浮かべる人も多い
かもしれない。

そもそも、「化粧品」というのは
どのように定義されるだろうか?

日本における化粧品は、
「医薬品医療機器等法」と呼ばれる
法律で規制されており、その中で
このように定義されている。

人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう

法律上は、このように厳密に定義されて
いるわけだが、さて、一般的な消費者は
化粧品を買う際に、何を思って商品を
手に取るのだろうか?

一般的には、定義の前段にあるように、
自分の身体を
「清潔に」するために、
「美化」するために、
「魅力を増」すために、
「容貌を変え」るために、そして
「皮膚」「毛髪を健やかに保つ」ために
化粧品を買う。

ただ、ここで表現されているのは、
ほとんどが「機能的ベネフィット」
呼ばれるものだ。
いわゆる、商品の「性能」である。

しかし、消費者が実際に欲しいものは、
多くの場合、「気持ち」である。
「心地よい」
「充実している」
「爽快だ」
「安心できる」
などなど。
これらは、「情緒的ベネフィット」
呼ばれるものだ。

化粧品にとっては、機能的ベネフィットも
大切なことに違いない。
だが、より大切なのは情緒的ベネフィット
だと言っても良いだろう。

レブロンの創業者であるチャールズ・レブソンが
言った有名な言葉がある。

「工場では化粧品を作る。店舗では希望を売る。」

レブソンは、世界で初めて色彩豊かなネイル
エナメルを開発し、世に出した人。
それが爆発的なヒットを収め、今も続く
優良ブランドの基礎を築いたのだ。

そのレブソンが残した上記の言葉は、
正にマーケティングの本質を突くもの

化粧品会社は、物理的な現象としては
工場で作った商品を売っているわけで、
お客様もそれを買っている。
しかし、実際に売っているものは、
その化粧品を使うことによって美しくなる
こと
であり、美しくなってワクワクする
感情
であり、そうなりたいという希望なの
であって、お客様もそれを買っているという
ことなのだ。

「お客様はドリルが欲しいのではない。
ドリルで空く穴が欲しいのである。」

という「マーケティング近視眼」の話に
そのまま通じる内容でもある。

自分が売っているものは何なのか?
性能ばかりに目が行って、
情緒的ベネフィットへの配慮を
怠ってはいないか、
時折振り返ることが大切である。

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ahiraga
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。