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「モヤモヤする力」を鍛える

「それってあなたの感想ですよね?」
「論破王」として知られるひろゆき氏の
名言
が、一時やたら流行っていたのは
記憶に新しいところ。
どうも、2022年の年間を通して、
小学生の間で一番流行った言葉らしい。

こんなセリフを言いたくなる場面、
ビジネスパーソンなら、一度や二度に
とどまらず、何度も遭遇しているに
違いない。

どんな人にも、あるいはどんな会社にも、
独特の文化なり「DNA」があり、
思考のクセというものがある。

そのクセを理解するのに手間取り、
相手の真意が掴めずにモヤモヤしたり、
どう考えても相手の論理がおかしい!
と憤りを感じる
ことは割とあるもの。

そういった「モヤモヤ」する時間や、
憤りを感じる時間というのは、
できるだけ短くしたいのが人情。

ところが、そういう時間を長く耐える
ことが、実はとても大切
だとする話を
つい最近聞き及んで、新鮮に感じた
ところだ。

「ネガティブ・ケイパビリティ」
という名前で呼ばれるコンセプトは、
精神科医であり作家の|帚木蓬生《ははきぎ ほうせい》さん
2017年に著した本のタイトルにも
なっている。

副題に「答えの出ない事態に耐える力」
とある通り、答えの出ない問題、課題を
抱えてモヤモヤするような状況
でも、
逃げたりすることなく付き合っていく、
耐えていく、そんな力
を指し、その力を
身に付けるのが現代人には大切だという
主張を展開する。

悩み多き現代人には、「共感する」ことが
必要で、その共感力が成熟する過程で
カンタンには答えの出ない事態に耐える
ことのできる能力が身に付く

その能力こそが
「ネガティブ・ケイパビリティ」
であるとのことだ。

最近、同僚がモヤモヤを抱える場面に
遭遇した。
社外の関係者とのコミュニケーションに
苦戦
しており、どうにも「モヤモヤ」
せざるを得ない状況
が続いていたので
ある。

「モヤモヤ」している状態は、
ハッキリ言えば気持ち悪い
とっとと吐き出してしまいたい
あるいは解消してしまいたいところ。

その「モヤモヤ」を受け止めつつ、
ふと思い付いて、この
「ネガティブ・ケイパビリティ」
ことを話題に出してみた。

「モヤモヤ」して気持ち悪いのは
分かるが、いっそ発想を転換して、
「ネガティブ・ケイパビリティ」を
今鍛えているところ
なのだ、
そのように解釈変更を試みるのは
どうだろうかと提案したのである。

普段聞かない新しい言葉であること、
「モヤモヤとの共存」という考え方が
常識の逆を行く考え方であること、
そうしたことも手伝って、心に響いて
くれるといいのだが・・・そんなことを
考えた次第。

私自身も、今後「モヤモヤ」を感じた
ときに、とっとと片を付けようとする
のではなく、むしろ共存を図ることで、
自身の「ネガティブ・ケイパビリティ」を
鍛える
のだ。

「人生万事塞翁が馬」よろしく、
「災いを福に転じる」力が身に付くのを
期待しよう。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。