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ベネフィットを追加して単価アップする試み

ほぼ1年ぶりの購入である。
写真にある「クリーム玄米ブラン」は、
かつて私がこよなく(?)愛し、
毎週2~3個はほぼ確実に消費していた
代物。
10年以上、様々なバリエーションが出る
度に試し、相当な個数を胃に収めてきた。
にもかかわらず、こちらのエントリーに
書いた理由で、パタリと買わなくなった
のが丁度昨年の3月であった。

行きつけのドラッグストアに買い物に
行った際、何気なく目を遣ったその
先に、この目新しいパッケージが
飛び込んできた。
なんと、クリーム玄米ブランが
「機能性表示食品」化している!

一瞬躊躇したが、久々に買ってみても
よいだろうと自分に許しを与えた。

私がこれを買わなくなった理由、
それは、端的に言えば、味が落ちた
から
である。
少なくとも私にとっては、その味が
「コスト削減によって、許容できない
範囲にまで落ちてしまった」と評価
せざるを得ない位のものだった。
実際にそうだったのか、裏を取った
わけではないが、私にとってはそれ程
のショックを受けるような変化を感じた
のは事実だ。

今回、「機能性表示食品」として
生まれ変わったとはいえ、一年前に
感じた「味が落ちた」状態と同じで
あれば、リピートは更に遠く険しい
道となる。
ドキドキしながら袋を開け、
最初の一枚を口に運ぶ。

なんと、以前の味に近い。
元に戻したのだろうか?!
それとも、この「機能性表示食品」
だけは他の通常品と素材を変えて
いるのだろうか。
通常品の方を比較のために買って
おけばよかったと少し後悔。

ということで、久々に食べた味は
一応合格


「味は」合格だが、「価格」「価値」を
どう捉えるべきか、といことを簡単に
考えてみたい。

以前私が頻繁に買っていた頃は、
大抵どこかのドラッグストアで、
1個98円前後で売られており、
それを買うパターンが多かった。
(価格は税抜、以下同じ)
コンビニだと150円、あまり安売りしない
スーパーやドラッグだと120~140円前後、
安売りしているところで100円を切る、
というような相場観。


今回購入したドラッグストアでは、
通常品が98円、「機能性表示食品」の
方が118円
ということで、約2割の
単価アップ
を図っている。
もちろん、「腸内環境の改善」という
素晴らしいベネフィット(嬉しいこと)
が追加されていることを考えれば、
単価を上げることは理にかなっている。
当然ながら、こうしたベネフィットを
追加するためには相応のコストが
かかったはずで、それを回収する必要が
あることに異論はない。

ポイントは、この「腸内環境の改善」を
消費者が実感できるか否か
と、そもそも
このようなベネフィットをお客様がこの
商品に求めているかどうか
だ。

まず、ベネフィットを実感できなければ、
買い続ける意欲を保つことは難しい。
実際に、頻繁に食べ続けることで、
お通じが良くなった等の実感を得られる
ようであれば、20円上乗せして購入する
価値は十分にありそうだ。

次に、この手の商品は、カロリーメイトや
ソイジョイなどが主な競合となるカテゴリ
で、最近は新規参入者も多い。
このカテゴリに消費者が求めることは、
・栄養素を手軽に補給できること
・小腹を満たし、それなりに満足できること

だと思われるが、「腸内環境の改善」は
より一歩進んだベネフィットであり、
ともすると「そこまでは望んでないよ」と
言われかねない要素だと考える。

この点、ガセリ菌を配合したヨーグルト
が雪印メグミルクから発売されており、
ベネフィットの点で競合する。
もし本気で「腸内環境の改善」を考える
なら、ヨーグルトを買う可能性の方が
高いのが現実だろう。

また、「玄米クリームブラン」の強み、
他ブランドとの差別化要素の一つは、

「ボリューム感」
だと感じており、「腸内環境の改善」
に20円追加で払うよりも、同じ値段で
沢山買えることを選択する消費者の
方が多いのではないか。

以上、調査による裏付けはなく、
完全に私の主観による分析のみ
だが、
この「クリーム玄米ブランPLUS」は
期待する程は売れない可能性が高い
と判断している。
ただ、ブランド全体への興味・関心や、
信頼感を引き上げる役割
は、ある程度
果たしてくれるだろう。

通常品の味も元に戻っているか、
近々に要確認である。

己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。