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2023年 淡路島(岩屋)の亜麻栽培/[3]発芽から開花まで


1.淡路亜麻(H-K-A-FLAX)

(1)発芽

(a)発芽率

2023年4月9日、下写真の奥9本の畝では、無事に発芽しましたが、手前4本の畝では、発芽しませんでした。発芽しない原因は分かりません。

水はけが悪く、土壌中の空気が不足したこと、日当たりが悪いことなど、様々な条件が重なったと考えています。

淡路市岩屋の亜麻畑20230409

動物が畝を荒らした形跡もありますが、発芽率に影響しているか否かは分かりません。

淡路市岩屋の亜麻畑20230413

下写真は、上写真から26日(約4週間)後の状態です。

淡路市岩屋の亜麻畑20230509

下写真は、さらに11日(約2週間)後の状態です。

淡路市岩屋の亜麻畑20230520

(b)発芽率の改善策

休耕田(元水田)では、耕盤層で水が溜まりやすいため、水はけを良くするために、耕盤層に孔をあけるか、畝を高くするのがよいようです。

スクリューやシャベルなどで人為的に孔をあける方法のほか、植物の根を地中深くに延ばさせたり、微生物を繁殖させたりして微細な孔をあける方法もあるようです。

山の斜面の段々畑では、山崩れを防止するために、土壌が緩まないように配慮する必要があります。そのため、耕盤層に孔をあける方法や、微生物を用いる方法は採用しないことにしました。

20240107追記

(2)茎の成長期

(a)畝の課題

多くの栽培地では、畝立ては行われていないようですが、「雨が続いて亜麻がダメになった」という話は聞いたことがあります。

畝立てを行った場合、水はけは改善されますが、作付面積が狭くなります。また、亜麻どうしが支え合う状況を作り難いので、倒れ易くなります。

淡路市岩屋の亜麻畑20230504

天然繊維を扱うWild Fibers社(英国)のサイトには、以下の記載(翻訳済)があります。「1.5メートル」は、周囲から草抜きができるように考えられたサイズです。

種まきは、横一列に並べるのではなく、幅1.5メートルのブロックにまくのがベストです。

Wild Fibers社のサイト

他のサイトには、亜麻が倒れることを防止する方法として、マス目状にロープを張る方法が紹介されています。

The Woolgatherers Lltd., LLC
https://www.woolgatherers.com/id106.htm

(b)獣害

4月の下旬頃から、動物に荒らされた箇所を多く見かけるようになりました。また、同時期に雑草の成長が加速されたように感じました。

動物の被害は、①畝に大きな穴をあけられる、②茎の先端部が食べられる、③茎が倒される、といったものです。イノシシだと思いますが、確認できていません。

淡路市岩屋の亜麻畑20230509

(3)開花

(a)5月19日

淡路亜麻は、5月半ばの1週間ほどで急成長しました。つぼみがチラホラ見えます。これから1~2週間が花の見ごろになります。

茎の長さは、長いもので1mほどです。神戸亜麻に比べて、成長にバラツキがあります。

淡路市岩屋の亜麻畑20230519
淡路市岩屋の亜麻畑20230519

(b)5月24日

淡路市岩屋の亜麻畑20230524

(c)5月28日

淡路市岩屋の亜麻畑20230528
淡路市岩屋の亜麻畑20230528

(d)6月5日

淡路市岩屋の亜麻畑20230605

(4)考察

秋蒔きにして、4月の下旬頃までに亜麻を開花させれば、以下のメリットが得られそうです。

イノシシの被害を少なくできる。
⇐ 疑問視する声あり。
・梅雨時を回避でき、雨で倒れる被害を少なくできる。
雑草を抜く手間を軽減できる。
・6月の暑過ぎない時期にレッティング(発酵処理)を完了できる。
⇐ 梅雨の時期では自然環境でのレッティングが難しいかも。
・6月の暑過ぎない時期に土壌改良を進めることができる。

本年秋には、幅1.5メートルのブロック状の畝を作り、亜麻の種をばら蒔きにすることを試そうと思います。

なお、神戸市東灘区では、こぼれ種(秋蒔き)の亜麻が4月16日頃に開花しました。

2.比較観察

同じ種でも、栽培環境が変われば、成長の様子も大きく違ってきます。異なる環境で育つ亜麻の様子を観察しています。

(1)神戸亜麻(H-K4-FLAX’23)

神戸市垂水の亜麻畑20230401
神戸市垂水の亜麻畑20230411
神戸市垂水の亜麻畑20230508

2023年5月15日、80~90cmほどに成長しました。5月半ばの1週間ほどで急成長しました。畝の表面は、控えめな雑草で覆われています。

神戸市垂水の亜麻畑20230515
神戸市垂水の亜麻畑20230515
神戸市垂水の亜麻畑20230528

(2)こぼれ種の亜麻 2023

神戸市東灘のこぼれ種20230330
神戸市東灘のこぼれ種20230416

茎の長さは、短く、40~50cmほどです。土の深さが5~10cmほどしかないのが原因かもしれません。土の下は、コンクリートです。

神戸市東灘のこぼれ種20230504

(3)プランターの亜麻 2023

日照量の少ないベランダでは、ひょろひょろに伸びて倒れてしまいました。

プランターの亜麻20230422

倒れた亜麻を日照量の多い屋外に移動させると、復活しました。

プランターの亜麻20230510

その後も順調に成長しました。

プランターの亜麻20230530

④ 茎は、最長75cmほどに成長し、無事に開花しました。

プランターの亜麻20230606

                              <続く


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