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2023年 淡路島(岩屋)の亜麻栽培/[4]開花後の経過、収穫、種取り


1.開花後の経過

(1)淡路亜麻(H-K-A-FLAX)

2023年5月半ばに開花し、種を付けた淡路亜麻は、黄色に変色していくものと思っていましたが、予想に反して変色は見られませんでした。気温が急に上昇したせいなのか、原因は分かりません。神戸亜麻とは様子が異なります。

淡路市岩屋の亜麻畑20230528
淡路市岩屋の亜麻畑20230613

下写真の亜麻は、 開花後50日以上が経過しています。茎は緑色のままです。平均長さは、100cm程度です。

淡路市岩屋の亜麻畑20230705

(2)神戸亜麻(H-K4-FLAX’23)

5月半ばに開花し、種を付けた神戸亜麻は、例年通り、黄色に変色していきました。平均長さは、100cm程度です。

昨年に比べると、細く短くなっています。2016年から同じ場所で栽培しているため、連作障害が出たのかもしれません。

神戸市垂水の亜麻畑20230528
神戸市垂水の亜麻畑20230628

2.収穫

淡路亜麻の茎は緑色のままですが、熟した種は、自然に落ちてしまいます。種が無駄になるため、収穫することにしまた。チラホラと花が残った状態です。

淡路市岩屋の亜麻20230719(開花後60日)

束にしたものを互いに立て掛けて、自然乾燥させました。

淡路市岩屋の亜麻畑20230719

神戸亜麻は、束にしたものを壁に立て掛けて、自然乾燥させました。

神戸市垂水の亜麻20230717

3.種取り

種取り作業は、「茎から籾を取る工程」と「籾から種を取る工程」に分けて行います。

(1)茎から籾を取る工程

道具を自作しました。細長い板に釘を打ち付けただけの道具です。

手と腕を使って力を入れることができるように長さを定めています。釘の頭部と板の間には、板の割れを防止するために、座金を入れています。

茎から籾を取る道具

改良すべき点として、以下を検討しています。
①板を手で掴み易い形状にする。
②腕に当てたときに痛くならないようにする。
③板を腕に固定できるようにする。
④釘に引っ掛からなかった籾を落とすための突起を板に設ける。

茎から籾を取る道具

(2)籾から種を取る工程

まず、籾殻を砕いて種を取り出します。色々なやり方がありますが、酒袋(さかぶくろ)に籾を入れて足で踏みつける方法を試しました。 

酒袋を踏んで中の籾を砕く

次に、酒袋の内容物を網袋に入れて、大きなゴミを取り除きました。また、砕けていなかった籾殻を手で砕きました。種や砕けた籾殻は網目から出てきます。この作業を経ることで、後述するシードクリーナーへの投入作業がやり易くなりました。

網袋でゴミを除去

続いて、シードクリーナーを使って籾殻と種を分離しました。シードクリーナーは「オープンソース」の設計図に基づいて自作しました。

種に混ざった籾殻を掃除機の負圧で吸引するようになっています。種は落下して容器に収容され、籾殻は装置内に貯められます。

オープンソースのシードクリーナー

下記URLにシードクリーナーの設計図が公開されています。開発者のベンさんは、「設計図および完成品に著作権がある」と考えているようです。シードクリーナーを製作したことをベンさんに知らせたところ、下記URLで紹介されました。


左:種、右:籾殻、中:いろいろ

4.プランターの亜麻

プランターの亜麻も、無事に種を採取できました。

プランターの亜麻20230606
        プランターの亜麻20230725    
プランターの亜麻の種

5.秋蒔きの検討

淡路亜麻では、開花後60日が経過しても茎の黄変が見られませんでした。黄変を待っている間に雑草が成長し、亜麻収穫の妨げになりました。次回は、以下に引用する台湾の事例に倣って、秋蒔きを試そうと思います。

熱帯農業 19(2).1976(林 四郎講演) 第110頁 PDFリンク

「亜麻は,一般の畑作では,開花後50日を基準として,子実の成熟後に収穫したが,水田畑作の場合には,畑作期間と後作水稲の挿秧期との関係から,開花後40日を基準とし,亜麻茎が略々黄化した時期を水田畑作亜麻の収穫期としていた.」 「水田畑作亜麻の収穫期は2月20日前後で,収穫後の水田耕耡期間は10日前後であったが,この場合,後作水稲に7~8%の減収が認められた.」

熱帯農業 19(2).1976(林 四郎講演) 第111頁 PDFリンク

<続く>



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