近くに榎の木がある。 子ども時分から、大樹として聳えている。 根元には祠がまつられ、守り神である。 登ることや枝を折ることは罰が当たると言い伝えがあり、恐れとともに畏敬の念に近いもの持つ。 芽吹きは、下の枝から始まり、息吹が昇るように梢に達する。黄土色の樹の粉のようなものを降らせ、道一面を覆う。 売れない団子屋は箒を手に、まず店の前を、そして隣へと。やがて汗ばみ、何故か解らない幸せな気持ちに包まれている。 道は狭く、車とのすれ違いには気を遣う。 急に、
寒さが厳しくなった正月明けの神社の縁日から、団子屋を始めた。週のうち四日、土日にかけて店を開けている。 みたらし団子を仕入れ、タレも同様にしている。あまダレは少し甘くして他に、地元の醤油や桜餡などもある。 はじめは、もの珍しさからかお客さんもあったが、客足も徐々に遠のき最近では、一つも売れない日も珍しくはない。 広告は行わず、店を開けている時は、のぼり旗を一本、店頭に立てている。 ゆっくり、広めることができればと思っている。 暖かいものを持ちかえって頂きた