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結婚式で手紙は絶対読みたくなかった話。

去年結婚式をしました。

その時の事前打ち合わせでどんな内容・演出にするかを決めるとき、私はまず絶対に両親に手紙は読みませんと言いました。

結婚式をしたのは31の歳。友達の結婚式に何度か出ており、手紙を読まなかった子は数えるくらい、ほとんどの花嫁が最後に両親へ育ててくれた感謝の気持ちを涙ながらに伝え、花束を渡して感動のお開きというのが定番です。

人の式に出ている時は感動してもらい泣きもしていましたが、自分は絶対にやりたくなかったです。手紙を読むくらいなら結婚式をやめたかったくらい。両親にここまで育ててくれたことに感謝していないわけでは決してない。でも本当はこうしてほしかったこうして欲しくなかったなんていう、感謝と同じ量の恨みつらみが私の心の中にはありました。

すぐ怒鳴る過干渉な父親とそんな父に逆らえない宗教狂いの母。大人になった今では親も完璧な人間ではないし、苦悩し苦労しながら育ててくれたことは分かります。でも両親のそういうところがなければ自分はこんな人間にはならなかったのではないか、人生がもっと良いものになっていたのではないか。そんなモヤモヤした気持ちを抑え込んで、みんなの前で今まで育ててくれてありがとうなんて絶対言いたくなかったです。

親を許して受け入れたいという気持ちと、いつまでも消化されない正反対の気持ち。できるならば私も友達のように純粋に素直に親への感謝の気持ちを結婚式で読みたかったですね。

ちなみに式では花束を渡すだけに留めました。それでもその瞬間を撮影した写真の父の笑顔と母のうるうるした表情をみると、やっぱり色々考えてしまいます。


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