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フィンランドで北極圏の宝石ラッカを収穫!

幻の?!ラッカを求めて

フィンランドに来て日本で馴染みのなかったたくさんのベリーを味わう経験ができた中、Lakka(ラッカ:クラウドベリー。以下、ラッカ)だけはなかなかフレッシュなものに出会えませんでした。
ラッカはジャムで初めて食べたのですが、ハニーのような芳しい甘さと酸っぱさがありとても美味しくて感動し、実そのものが食べたいと思い冷凍ベリーを買ってみたものの、無味無臭でガッカリした経験が。
なんとか摘みたてのフレッシュなものを味わってみたかったのです。

これまでに食べたラッカジャム(違うのもある)

ラッカは北極圏で愛される貴重なベリー

ラッカはフィンランドでもラップランドなど北部に多く分布し、Arctic circle(アークティックサークル:北極圏)付近では「Arctic Berry(アークティックベリー:北極ベリー)」と銘打って売られていたりして、ところどころでそのアイテムやオブジェを見かけることができます。
フィンランド最南のヘルシンキに住んでいる私からしたらなかなかお目にかかることが出来なさそうなベリーでした。

ラップランドの沼地公園にある巨大ラッカモニュメント

しかも森深い沼地に生息しているとあり、どこにでも生えているブルーベリーに比べると探すことは難しいです。

ラップランドまで行かなくても良かった件

7月はラッカの収穫シーズン

SNSでもラッカを収穫したよ!と7月になると投稿があがりだしていて、それによると北部まで行かなくてもヘルシンキを含む南部でラッカは獲れるとのこと
実はわたしもヘルシンキ内の公園で発見していました!
ただ、見つけたのはほんの数本だけで収穫できるほどの数は見つけられませんでした。

ヘルシンキで見つけた実をつけたばかりのラッカ

ラッカは日本でも近年北海道で発見され、ホロムイイチゴと命名されています。
東北の一部でも生息しているとのことで、比較的涼しいエリアで条件が揃えば見つけることはできそうです。
私もフィンランド人の友達たちとSNSで投稿のあったエリアの沼地をいくつか調べて目星をつけて行ってみました!

今回訪れたのはヨエンスー周辺。ヘルシンキから約450km

ラッカの生息地を見た

目的地に着くと、車を道端に止めて着替えます。
沼地に入るので足元は泥の層があるため長靴に。
水が多くなるので蚊が増え、アブもいるし、頭を覆えるフードのついた長袖と刺されても肌まで届かない程度の長ズボンで、顔以外の肌を覆います。

完全防備!

雑木林を掻き分けて沼地へ

足元の土がスポンジのようにフカフカし始めて、木もまばらになり、ポカポカの日差しが降り注ぎます。
おおむね乾燥しているフィンランドですが、さすがに沼地は湿度が高くて暑いです!

雑草の中に光る黄色い宝石

フカフカの地面を少し歩くと、足元にぽつりと黄色く輝く光。
屈んでみると、この形はまさしく探し求めていたラッカ!
そして良く見回してみると、この黄金の宝石は辺りに無数に広がっていました!

黄色いポツポツが遠くまで無数に続きます

ラッカの収穫の仕方

まず、ラッカの色を見ます。
一見、赤くて美味しそうな実がありますが、これはまだ未熟で酸っぱいだけのベリーなので注意です。

まだ赤いラッカの実

収穫する実はオレンジがかった黄色で、実を支えるヘタの部分が緑色ではないもの。できれば茶色く枯れかけているとなおよしです。

獲れ頃ラッカの色。こんなお花のような形のラッカもあり可愛い


ラッカはとても柔らかくてデリケートで、このヘタが緑色でしっかりしていると、実とヘタの間がくっついていて収穫の時に実離れが悪く、力を入れて引っ張るとラッカが潰れてしまいます。

優しくつまむ

ラッカの実とヘタの間に指を入れます。
そのあと優しく引っ張ると、採れ頃の実ならポロっと外れます。

ポロっと取れると気持ち良い

一見、しっかり熟して見えても摘む時に実が破れてしまうこともありますが、それは仕方ないのでどんどん摘んでいきましょう。

収穫用バケツの中でたくさん集まってある程度の重さになると、バケツの底にある実から重さでつぶれて破れていってしまいます。

摘みたてラッカをいざ実食

さて、いくつものジャムや飲み物、お菓子など、「ラッカ味」の食品を食べて来た私ですが、新鮮な生のラッカは初めて。
同行した数名のフィンランド人も初めての経験だと言っていました。
目の前に生えているラッカをひとつ摘み、おそるおそる口に入れてみました。

プチっと実がつぶれて中からトロッと濃厚な果汁が広がります。
そしてハチミツと完熟オレンジのような濃い甘い香りが鼻を通り、優しい甘さとフレッシュな酸味が舌を覆います。
この味や香りはわたしが求めていたものです!

わたしはジャムでラッカを食べることが多かったのですが、ジャムになっている果実は、生のものと火の通ったあとだと風味が異なることがあります。
わたしは冷凍のラッカの実を解凍して食べたことがありますがこの香りが全く感じられなくてガッカリした経験があり、摘みたての実に期待をしていました。
そして、生の実にはジャムで感じたラッカの美味しさが詰まっていました

難点を挙げると、ラッカは種が大きくて硬いのが気になることです
食べる時に種が気になる果実代表?のラズベリーやドライイチジクの種より大きくてパリパリというよりバリバリという感じ。
パッションフルーツよりすこしマシと言った感じでしょうか。
こうなることは種入りのジャムを食べて分かっていた事で、わたしは種が苦手なので種なしのジャムを基本的には買っています。(風味は種入りの方が良いことが多いので悩ましい)

わたしは種を感じる系フルーツがもともと少し苦手ですが、ラズベリー等が全く気にならない人なら大丈夫かと思います。
この種がある理由なのかベリーの中ではダントツで食物繊維が多いのだそうです。

それから、果汁に粘性があって少し口の中でベタつくのが気になるので、苦手な人もいるかもしれません。

食べやすいラッカのおすすめ

そんな2点のウィークポイントを踏まえた上で、ラッカを収穫中食べるならコレ!という実をご紹介します。

ラッカの実は複数の粒で構成されていて、粒の大きさや数は実によってまちまち。
ただ、粒のサイズは数が少ないほど大きくなり、甘さや香りも粒が少ないと感じやすいです。

たくさんの粒で構成されたラッカの実は、食べると粘性が強くなり、粒一つ一つに入った種も多くなるので食べにくいです。

粒の数はそれぞれ違う

数個の粒で構成されたラッカの実は、食べると粘性も低くて果汁が比較的サラサラしており、種も少ないので食べやすいです。
たまに、大きな粒一つだけのラッカもあってこれまた美味しいです。

粒の一つ一つが大きく数が少ない

もしラッカを収穫することがあれば参考にしてください!

おわりに

最終的に、2キロくらいのラッカを収穫して帰りました。
帰りのマーケットでラッカが1キロ約27ユーロ(約5,000円)で売られていましたよ!一万円くらいになったかな?!

フレッシュなベリーを売るマーケットで見つけたラッカ
お酒屋さんにはラッカのお酒も


せっかくだから採ったその日に、伝統的にチーズに乗せて食べました!
ジャムとは違い、フレッシュなこの時期しか味わえない自然の味に感謝。

普段はラッカのジャムを乗せて食べるデザート

残りはジャムやリキュールにしようと思うのでまた記事にしてみますね。
お疲れ様でした!?

いくつか茎ごと持ち帰ってきました

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