気がつけばデジタルネイティブ
会社員でよかったことといえば、パソコンスキルをがっつり身につけられたことだろうか。
私がパソコンと初めて出会ったのは新卒で入った会社で、電話回線を使って得意先から伝票が送られてきたときだ。システム室のプリンターから伝票が次々とプリントアウトされるのを不思議な目で見ていた。そのプリンターにつながっているパソコンの画面は黒かった。DOS画面というやつか。そして、モデムという言葉を初めて知った。
それから10年ぐらいたつと、先輩社員がノートパソコンを持って来て、Excelの表にデータを入力してほしいと言う。おそるおそる数字を打ちこんでみたらあら不思議。合計が自動的に計算されるではないか。こんなに便利なものがあるんだ。しかもこんな小さなパソコンに入れて持ち歩けるなんてかっこいい。私も絶対買いたいと思った。
生まれたときからネットやスマホがあった世代をZ世代というそうだが、それよりずっと上の世代の私も、会社員だったおかげでパソコンとの付き合いは長いものになる。長い年月をかけて少しずつ覚えたおかげで、パソコンやネットの世界にスムーズになじむことができた。
今は会社員を卒業して、フリーランスとして仕事をしているが、会社員時代に身につけたパソコンスキルがなかったら、とてもじゃないが無理だったことだ。会社員時代があって今がある。そして、ひとり家で仕事をしながら、仲の良い同僚たちと社員食堂で談笑しながらお昼ご飯を食べたことを、懐かしく思い出したりもするのだ。
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